9月20日土曜日。
”毎日が半ドンの土曜日”、みたいな私です。
午前11時、いまは福島県在住のキレ者「元編集長」と新橋のカフェで待ち合わせ。私より6歳年上なので団塊の世代だ。
今年、彼から、読んで欲しいと長編小説を渡された。彼の人脈からすればもっと顔の広い編集経験者が多数いるだろうに、などと思いつつ、彼を尊敬しているので丁寧に読んだ。私には珍しく、気に入った箇所には付箋を貼り、時間的に辻褄が合わない箇所には鉛筆で疑問を書き込み、明らかな間違いは赤入れをした。彼には疑問などを箇条書きにして送った。そして、知り合いの版元さんに売り込みの相談もしたりした。
今日も前回に渡された小説を元に彼の過去や読書体験談や、ちょっとした自慢話も聞き役に徹してうかがい続けた。ハンサムで頭もいいので、女からモテたこともうなづける。
ここまではよかったのだが、カフェを出てイタリアンのお店でランチをしていると、ちょっとした弾みで自民党の総裁争いの話題になった途端、完全な齟齬が生じる。彼はいまの日本もマスコミもサヨクが握っていて、高市にあっては不公平だと怒りだしたのだ。私はその逆で、いまほどサヨク思想はともかくヒューマニズム=人道主義をないがしろになっていることが不愉快なので、彼に対して初めて、それは違うな、と反論した。
歴史修正主義を彼は支持していた。南京事件は「30万人の虐殺はあり得ない」ということで中国の一方的な主張を受け容れた反米勢力の欺瞞だと受け取っているし、アベ政権とその継承者たる高市は、総裁候補5人のなかで唯一、反中国を貫く国士である、と主張する。
出た出た、ネット中毒者の特徴。
出た出た、学園紛争の影も形も一切ない慶應大の特徴。
私は徐々にこの話題から腰を引くような言説をして、完全に別の話へと持って行き、彼との対立状態を止めた。
アベが煽った戦前回帰と大政翼賛会的な保守思想と市場原理主義的な経済政策は、戦争責任と同様、総括されることもなく受け継がれ、こんにちに至る。
日本はアベで大損した。
(私はアベノミクスで確実に日本が沈む、という予測から退職金の定期預金を世界各国の投資信託に回して得をした)
ともかく、総理大臣が誰になろうと私は知ったこっちゃないけど、自身の感性が体力低下に引きずられて衰えていくことだけは避けなければ。その意味でも、私は彼のような教養人から学ぶべきところは学びたいと思った。
彼からふたたび分厚い原稿の束を受け取った。
帰りの横須賀線車内で早速、束を取り出して読み始めた。
鎌倉駅までの50分、ずっと読み続けた。
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