わたしから吸い取られた血めぐりゆきまだ見ぬ卵の羽音をつくる #短歌
声よりもさきにつたえるきみの目のふくらみながら咲いてゆく花 #短歌
ぐいとまた大きな弧を描くたび空のページに鉛筆の跡 #短歌
改札を抜けてはぐれて散り散りにネオンの海へ魚みたいに #短歌
角度ある坂をのぼればしずくまでひかりを灯すあまおとの街 #短歌
濡れながらふともも濡れるそのときに傘のかたちが街を包んだ #短歌
カフェインに縛られ続け夜を裂く 叔母のひとみに処女の祈り #短歌
ふる雨の透明な声ききながらいい人のふり流れのなかで #短歌
向かい風匂いがあおくひろがってまだ知らぬ道ひらいてしまう #短歌
ひとしずくひかりを弾き歌となり百万粒の夜を渡して #短歌
日曜の空に逆さの地図を持ち君の笑顔の影が落ちたり #短歌
この文字をわたしと呼んで生きてゆくまだですかとの声を背にして #短歌
口に入れ間に合わなかったその夢はしずかに溶けるあまいひととき #短歌
元気とは甘さとともにやってきて名前を呼べばアイスが応える #短歌
くちづけのかわりに土をかけていた それがやさしい夜のはじまり #短歌
串の先ひかりをまといかすかな声 隣の影と乾杯をする #短歌
肉をくぐらせ火は赤々と夜を照らすキャンプで食べる小さき祝祭#短歌
二杯目にたどりついたらふいに出る蛇口の話止まらない君 #短歌
雪が消えとなりの庭に残されて名前のような君の足あと #短歌
ひとり分かせぐ暮らしを抱えつつ知らない町で山本太郎 #短歌
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