はなれればただの道路にもどるけどつないだときは世界やわらぐ #短歌
沈黙の中でうまれるかすかな芽 母のとなりでやさしく育つ #短歌
匂いしてありもしないのにあまくなる写真ひとまい心憎さ熟れて #短歌
ゆるやかに未完成こそうつくしく道のまよいも光に変わる #短歌
鼠色けしてにぎわうことはなく未来の夢をおさめて眠る #短歌
デバイスのなかった記憶たどるたび わたしの未来かすかにほどけ #短歌
あやまちは夢のようにもやさしくて夜の深さににじんでのこる #短歌
下唇ひらきっぱなし声の底 祈りはすでに私を拒む #短歌
最中かと問えばくゆらす白き煙 過去も未来もひとつに沈む #短歌
君の影 葉脈ひかるガラス越し わずかな息を透かして見てる #短歌
おおあくびかくすことなくとけてゆくひとりのなかの青空の窓 #短歌
夕暮れに街のかたちがほどけだす夢のつづきの色でそまって #短歌
あてどなくそらに願ったそのあとでもうしろむいたら風がつめたい #短歌
てのひらにのこらぬものをしっていてフランネルだけやさしくまがる #短歌
てんきよほうひとつの街をこえながらしらない空の雨を気にする #短歌
午後三時 布団の水玉増殖し統計よりもやわらかい雲 #短歌
四体のスーツが並んでトーストを焼く音ひとつ未来の朝に #短歌
朝が来てだれも起こしてくれない日「いい日旅立ち」が少し沁みた #短歌
辞書ひらくたびにひとすじ落ちてゆく意味をこえたるしずかななみだ #短歌
放水の映像うすれ音ひとつ田口トモロヲかすかにかたる #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する