不審者と言われた後も植え込みでスズメ一羽をじっと見ていた #短歌
手を振ったふりして逃げた帰り道 ポケットの中罪悪感だけ #短歌
バイト先 打ち上げLINE見落として1人で食べる焼きそばパンだ #短歌
まじめだね それ皮肉にも聞こえると言えずに笑う午後のすきまに #短歌
カップ麺 食べてる僕の社会的地位を知らずに猫がすり寄る #短歌
傘忘れ呼べばすぐ来る使い魔がいない世界でひとり濡れてる #短歌
花束をもらう予定はなかったがもらえなかった ちゃんとむなしい #短歌
花瓶ではなく業務用のピッチャーに挿されたままのひまわりだった #短歌
嗅覚のことだけ残る記憶ってたしかにあるよ 傘をたたんで #短歌
鼻先でひかりを割って飛ぶ虫に名前をつける癖が戻った #短歌
「パトロンてつまりはだれのことですか」問いかけたのは午後の図書室 #短歌
留守番の部屋にぽつんと声がしてアレクサだけがが今日を知ってる #短歌
縁結びの札をさわった指先で君がほどいたミントの包み #短歌
まばたきの音だけ響く屋内で冷たさ比べする握手会 #短歌
事故物件だけど日当たりいいんだよ ホントなんだよ(小さい声で) #短歌
致し方ないことばかりだと知ってから雨が降る日に傘はささない #短歌
随意契約だったよね たしかあの日もふたりとも傘持って中津和 #短歌
たとえばの話と知ってはいたけれどクソ勇者めと雨につぶやく #短歌
笑われるような場面ばかりを選んでた自伝小説書くふりの午後 #短歌
だれか来たが気がして混ぜる片手鍋 とろみの奥に会話がゆれて #短歌
泣くのが仕事ってフレーズに対してガチでキレる労働者
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