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2024年09月10日20:32

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同窓会知らずの人生

 9月10日火曜日。
 朝ごはんを食べたらすぐに校正。再校の締め切りが10月末なのであと50日を切り、焦り始めている。
 来月初旬にある中学の同窓会で、一度は断ったのだが、再考を促されて返事を待たれている。電話をして欠席を告げれば済むことだが、当方、繊細さんゆえにどうもお断り電話をかけづらい。
 幹事を困らせないためには今週返事するのがリミットだろうな。
 午後イチ、はがきを書くことにした。

 前略 2度も電話をくれてありがとう。
 実は私、中学・高校・大学の同窓会にこれまで一度も出席したことがない。斜に構えていた、そしてたぶんに精神的な余裕がなかったからだろうけど、ずっとツッパって生きてきた。大規模会場で催される同窓会ともなると、華やかさと猥雑さが入り混じった独特の雰囲気だろうな、と想う。そこに自分を置いてみる、というのもこの歳になってみると悪くない。
 俺は”準”転校生だった。入学式の1週間前、父の転勤に伴って国鉄屋島駅からほど近い家に移り住んだ。越して来て最初にびっくりしたのは、高徳線に蒸気機関車が走っていたことだ。これに限ったことではなく、半年くらいは驚いてばかりの「黄金の日々」だった。全員参加の遠泳大会があるだなんて、なんて傑作な中学なんだ!
 人生で大事なことの3割は屋島中で学んだ。卒業式のあと、魅惑の少女アナブキさんに誘われて彼女の自宅を訪ねたら、ミニスカートから見える美脚が眩し過ぎて逃げ帰ったのだが、この時の自己抑止力はのちのち役立った。卒業して10カ月後に、中学一の悪童である森クン、体力が半端ないのにめちゃ心根が優しい川崎クンの3人で無謀な冬山登山をしたことは生涯の自恃心になった。
 屋島中の3年間は、ヘタな青春小説が書けるくらいに輝いていた。それは実のところ俺がかなりのお馬鹿で、みんながいい奴だったからだろう、と今ではわかる。
 日下クンから連絡をもらった。覚えてくれてんだな。
 森クン。私の欠席を悪く思わないでな。いずれ”お忍び”で(笑)、いざ高松へ行きたいと願ってる。

 はがきを受け取った森クンは、かつての仲間にこのはがきを見せるだろう、と考えながら書いたので、語り相手がやや曖昧な文面になってしまった。
 一気に書いて郵便局へはがきを出しに行った。
 郵便局のあと、鎌倉資本のなんでも屋みたいなスーパーへ。
 店頭に二十世紀梨があったので、買ってみるか、と思って、店内で売っていた松前漬けと共にレジへ。
 今日も暑い。汗びっしょりで帰宅し、すぐさま水シャワーを浴びてエアコンの効いたリビングで休憩した。
 折り込みチラシなんぞを見るともなしに見る。そごう横浜店にチラシが入っていて、「秋の北海道物産と観光展」特集だ。
 見ていてイヤになる。3564円、3884円、4320円のそれぞれ豪華海鮮丼。
 天国と地獄、月とすっぽん、 提灯に釣り鐘。
 負け惜しみで言うのではないけど、私は質実剛健を旨とした生き方をよしとしている。カニにイクラにホタテにウニに貝柱に……と盛りに盛った丼なんぞ食べたくもない。そもそもウニとカニを同時に食べたらそれぞれの美味しさが半減するではないか?
 負け犬の遠吠えに聞こえるかもしれないが、負け犬なのだから仕方ないのである。
 気を取り直して校正に向かったら、ご近所さんから高級ブドウのピオーネをお裾分けでいただいた(https://www.miyoshi-dmo.jp/pione/)。
 また、夕方、ご近所さんがラズリのお見舞いに来てくれた。
 ありがたい一日。
 
 
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