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2023年02月07日20:19

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家に獸が棲みついてる山の家

 2月7日、火曜日。
 午前中、胃潰瘍防止薬&睡眠薬を処方してもらうため、定期的に通う病院へ。かれこれ15年が経った。ずっと変わらず同じ医師で、この身体を自分よりよく知っている。とても幸運なことだ。今日は受付終了15分前に訪ねたこともあって、私が午前診の最後の患者らしく、10分ほど雑談をしてもらった。
 医師に全幅の信頼を寄せている。医師は私の心情を知っている。
「この病院をクビになったら引退しようと思っている」と言われて、私はたじろぐ。
「身体の変調があれば真っ先に先生を訪ね、先生の総合医療的AI判断に委ねるというのが私の過去現在未来です」と応えた。
 帰りに無人野菜直売所に寄って、ホウレンソウとブロッコリーを共に100円で買った。なんとなく得した気分。
 簡素なランチ後、海岸を目指して自転車に乗った。そろそろワカメのシーズンが始まる。沖合のワカメが由比ヶ浜に打ち寄せるのは3月に入った頃からだが、もうワカメの漁師小屋では収獲したワカメを干しているだろうか? 
 行ってみると、初収穫はまだのようだった。海岸に降りてしばし歩いてみたが、海藻ひとつ落ちていなかった。波は結構あるし、まだ干潮である。下を向いて歩いていると、瀬戸の破片や大きな二枚貝の貝殻がたくさん落ちていた。
 自転車まで引き返し、亡くなった親友宅を目指して自転車を走らせた。家に仏壇はなくお墓もなく、さらに彼の奥さんは人当たりが悪いので、その後家にうかがったことはない。ひょっとしたら奥さんは家を売って転居している可能性だってある。
 家の前まで行ったら表札はそのままだった。しばらく門の前に佇んで、外観を見るともなく見ていた。ひっそりしているので奥さんがそこに住んでいるのかどうかはわからない。大型犬を飼っていたので犬が警戒の声をあげるかどうか待っていたが、3分経っても5分経っても吠え声はなかった。
 由比ヶ浜は明治の別荘地から始まった住宅地ゆえ、道が曲がりくねっていて、各戸の家の方角も規則性がなく、迷宮のようなエリアだ。自転車で彼の家に向かう間も、そこから離れる時も、昔むかしに読んだ朔太郎の「猫町」で描かれたような虚無感と心細さを覚えた。彼の闘病のつらさは私を悩ませたが、他方、私にとって羅針盤のようなベクトルを示してもいて、そこから生じる連帯感のような感情が私の孤独を癒した。

 帰宅して、庭に落葉が溜まっているのが気に触ったので掃除を始めた。
「事件」はそこで発覚した。家の床の格子前にバケツ2杯分くらいの土が小山になっていた。そう言えば4、5日前、どこからともなく家をカリカリと爪で引っ掻くような音が聞こえていた。ひょっとして床下に獸が棲みついているのではないか。
 鎌倉の市街地にはたぬき、ハクビシン、アライグマの3種がいる。
 市役所の環境課に電話をして、視察と檻を依頼した。明後日、来てくれると言う。
 その後、床下に潜ってみた。が、何しろ狭くてなかなか小山の現場までたどり着けない。ポケットにドッグフード20粒を入れてきたので、折り込みチラシの上にその20粒を置いて、明後日、市役所職員が来てくれた時点で、ドッグフードが食べられているかどうかをぼくがもう一回潜って調べるのがいい、と思った。こんな真似は、体勢がしんど過ぎてしたくはないのだが。
 夕刻、亡くなった友人の顔を思い浮かべつつ、メールの返事を書いたり、パンフレットのコストを調べたり、ネットニュースを見たりしていた。
<荒井勝喜首相秘書官は3日夜、この答弁を受けた形で、記者団にオフレコで「僕だって(同性婚の人を)見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」と話した。また、「同性婚を導入したら国を捨てる人もいると思う」と述べた>(BBCニュース)
 ひとそれぞれだな。私は昔からゲイのひとに対して、その芸術性だとかオリジナリティだとか才能だとかで、自分のようなストレートには計り知れないサムシングがある、という”逆差別的”な見方をしてきた。だから、出来れば隣に住んでいろいろと自分が見過ごしがちなことを教えて欲しい、と思ってた。
 さらに10年か20年前、LGBTQは人口の8パーセントだと推定されている、ということを知った時、「学校のひとクラス40人に3人か4人もいたのか」と愕然とした。これはサヨク率より高いくらいの数字で、性的異常でもなんでもない。
 LGBTQに対してよくもまあ、このようなヘイト発言が出来るもんだ。私は荒井のような、あるいは荒井を弁護するような発言をした西田議員(夕方のニュースで見た)のような”クソ”と隣り合わせに座ることさえ嫌だ。こういうパースペクティブの狭量な人間が議員である、というお寒い実情を見ると、国を捨てたくなる。

 日記を書く前、メールチェックをしたら、Yahoo!寄付サイトからメールが届いていた。トルコ地震の緊急援助活動だ。
 大して溜まってはいないが、Tポイントを全額寄付した。
 阪神淡路大震災や東日本大震災級の地震災害だろう。
 瀕死のかたが一人でも救われますように、と祈る。
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