W杯の予選グループE組、対スペイン戦は早朝4時キックオフ。夜型の私には最も過酷な時間帯ゆえ、テレビ観戦は見送るつもりだった。
昨夜も普段通りの夜更かしで、29日ブックオフのバーゲン日に買った河出文庫『ヨコハマメリー』(中村高寛著)を30分ほど読んだところで午前1時、クスリ一粒を服んで眠りに就いた。
どうしても起きなければいけない、というときは目覚まし時計(いまはiPhone)に頼るが、負ける確率が9割の試合だ。朝のニュースで結果を知ればいい。寝る直前までそんなふううに思っていた。が、多少未練があったのかもしれない。
午前4時10分頃、中途覚醒した。夢の中にいるのか、実際目が覚めたのか。まるで生死の境界にいるような状態で、真暗闇のなか、自分が自分で在るというような感覚を持った。10秒か20秒くらいぼんやりしていた。普段なら二度寝しようと試みるところである。が、いまの時間、スペイン戦をやっていることに気づいて意識が覚醒した。
スタンドをつけることなくロフトベッドの階段を降り、テレビのリモコンを付けた。部屋が少し明るくなる。試合中継は何チャンネルだ? リモコンを4から順番に押していくと、8で中継が映った。
スコアは日本2,スペイン1。FW前田が浅野に交代した直後だった(後半17分)。ロスタイムを含めるとあと30分から35分というところで、見始めると防戦一方の展開だった。ものの数分で惚けた頭が現実に戻り、悲観的な気持ちの側でスペインの猛攻を見ていた。たぶん追いつかれるだろう、引き分けの場合はドイツに軍配が上がる……。
選手にとっても観客にとっても、日本人にはつらい40分だった。2対1で勝っている、という現実自体がアンビリーバブルで、起きているのに夢のようだった。
ロスタイムは7分。テレビの隅の時間表示ばかり見ているような状態だった。
試合は覆ることなく1点差を守り切った。
6時半近くまで勝利後のインタビューや得点シーンを観たあと、もう一度ベッドに上がって午前8時半まで眠った。ちゃんと睡眠時間がとれたことになる。
なにもかもが気分爽快、という一日になった。
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