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2021年06月06日20:29

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「日曜美術館」上條陽子さんの巻

 6のぞろ目の日曜日。
 午前8時前、電話で起こされる。昨夜は25時まで三上智恵『証言沖縄スパイ戰史』を読んでいて、それから入眠剤を服むも効かず、眠りに就いたのが午前2時半だった。だから私にあっては迷惑電話だが、掛けてきた相手は80歳近い画家でしかも2年半ぶりの電話だったので、嬉しくも感じた。
 友だちが今日の「日曜美術館」に出る、観てくれないという誘いだった。電話を切って朝刊のラテ欄を開いたら、「戦火の中パレスチナ・ガザ地区 不屈の若き画家たちと命を描く84歳上條陽子」とある。その上條さんが彼女のお友だち画家で、電話を切って1時間後、言われたとおり「日曜美術館」を観た。
<84歳、パレスチナへの思いを胸に描き続ける画家上條陽子。死の絵から生きる絵の世界へ。イスラエルの爆撃により、多くの死者を出したパレスチナ・ガザ地区。高さ8メートルの壁に囲まれた自由のない世界で、不屈の精神で描き続ける画家たちの姿。爆撃の1週間前に撮影した映像。死と隣り合わせの中、いとうせいこうが衝撃を受けたパレスチナの絵とは?全国各地を回るパレスチナ画家の奇跡の展覧会。上條陽子、執念の新作に挑む!>(NHKのホームページより)
 内容は大雑把に分けて3つの背骨があった。
 ガザ地区の過去と現在の情勢、抑圧された状況下でも描こうとするパレスチナ人画家の不屈の魂、30年来パレスチナと関わりながら現代美術のジャンルでオブジェ制作に励む画家の最新活動。
 絵の具の代用品としてカラフルなスパイスを使って色彩をつけるパレスチナの画家を見ていると、イスラエルに対する憎しみを覚える。それにも増して、同朋を明るい気持ちにさせたいと願ってカラフルな動物を描いている画家のひたむきさに感動した。
 上條陽子さんについては、電話を掛けてきた女性を重ねるようなフィルターで見てしまうため、いっそう共感する。
 寝不足なのが痛いところだが、朝から魂を揺さぶらせるような啓発番組を観ることができて、小さな幸福感を感じた。
 午前10時半、iMacを起動。やり終えた翻刻をまた最初から見直しているのだが、初期の頃は判読できなかった字が数多く、誤読した漢字もこれまた多い。コツコツと校閲&校正をしていく他ない。翻刻するのに10カ月を要したのだから、見直し期間は3カ月半くらいだろう。根気がある人ならそれぞれ私の半分くらいの時間で可能かと思う。しかし私は一日あたり3時間半が限度だ。3時間を過ぎると頭が過熱し、目がかすんでくる。
 午後3時半、ラズリと散歩。歩きたくない、という意志をはっきり示すようになった。家から300メートルくらいの地点に来ると、引き返そうとする。無理をさせるのは禁物だが、負荷がなさ過ぎると老化の進行が進んでしまう。文字どおりラズリの顔色をうかがいながら、彼女の意志に従ったり従わなかったりとクールな判断をしたい。
 午後4時過ぎ、近所の友人宅へ。
 オーディオとジャズが趣味の彼に故障しているカーオーディオの件で相談していたので、家から40メートルなのにクルマで行く(笑)。
 家でオススメのLPレコードを小一時間聴かせてもらい、その後、マイカーへ。
「たぶんスピーカーのコーンかそのあたりの配線がやられているのだろう」などと、ディーラーと同じ見解だった。
「自分ならさっさとドア側のスピーカーネットをぶっこわして、スピーカーを替えちゃうけど。それなら安く済むから」と言われるも、内装重視の私はへらへら笑いながら、「これから1カ月、晩ごはんはアジに干物と納豆で済ませてその分倹約するよ」と答えた。
 ジョン・コルトレーン、マイルス・デービスなどのジャズCDを借りた、というか、「これ、ジャズってなにかの答えがまんまあるCDだから」と渡された。
 
 昨日、池井理佳子が女子百メートル決勝で2位、というニュースが流れ、MCが池井さんを肩入れする姿勢を露骨に見せていた。
 白血病罹患から奇跡の復活を遂げたアスリートに共感する気持ちはよくわかる。
 にもかかわらず、昨年、池井さんの兄が電通に入社した、という報道を知って以降、ひどくしらけてしまった。コネ入社だね。
 電通の社員は当たり前のことだが、スポンサー筋や政治家のコネで入る者が半分、実力で入る者半分。個人的に、裏口入学や裏口就職が嫌いな上に、電通やパソナといった政府がらみの企業に対して常々怒りまくっているので、池井さんが悪いわけでもないのに「どうでもいいわ」になった。
 政府が主導するアプリの開発で電通に発注し、それを下請けのIT企業に回し、企業は中小の技術系会社に制作依頼をし、その会社はフリーランスのSEを使う……。いちばん儲かるのは電通で、これは「中抜き」以外何ものでもない。
 先週だったか、パソナが五輪大会の準備会場ディレクターを1250円の時給で募集、五輪委員会は日当35万円を支払う契約を取り交わしていた、という報道があった。ディレクターが8時間労働だとすると、彼の手取りは1万円、34万円がパソナに入るってことか。
 原発の汚染処理でもこれと似たような「パソナ・システム」がしばしば指摘されているのだが、日雇い日給は政府が出す別支給の危険手当以下だったりして、坊主丸儲けとはまさにこのこと。
 国民の大半はうすうす知っているはずなのに、おとなの態度で許容している。こういうところが日本の美徳であり、伝統なのだろう。泣く子と地頭には勝てぬ。私もいい加減おとなにならなきゃな。
 
 
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