進撃の巨人 ファイナルシーズン 9話 進撃の時代と歴史のコラボ
9話で、パラディ島の住民が、初めて黒人を見て、驚くシーンが描かれている。進撃の時代は、実際の歴史でいうと、飛行船の時代、つまり、1800年代から1900年代、というところだろうか。1914年に勃発した第一次世界大戦では、ドイツ軍が軍用飛行船を開発して使っていたそうだ。幼女戦記も、第一次世界大戦と、第二次世界大戦が合わさったような設定になっているが、進撃の場合は、第一次世界大戦前の雰囲気がより強いようだ。当時のヨーロッパでは、すでに黒人は存在した。日本にも、戦国時代には登場しており、織田信長の家来になっている。写真のなかった時代、絵画は、歴史の記録の役割もになっていた。では、黒人を描いた絵画は、存在するのかというと、存在はするが数は少ない。召使いとして雇われていたようで、脇役として描かれている場合が多い。マネのオランピアが有名だろう。1800年代の作品だ。それより前となると、ルーベンスの色彩粗描が思い浮かぶ。色彩粗描とは、油絵の具で、即興的に描いた作品で、色を使ったデッサンのようなものだ。比較的荒いタッチで描いているので粗描という。ルーベンスは、1600年代に活躍した画家で、まさに天才と言える頭脳の持ち主だった。王族の肖像画を描く画家でありながら、外交官としても活躍する。また、友好的な人物だったようで、他の画家との合作も多い。ケツの大きなふくよかな女性が大好きという、東堂と同じ趣味だった。東堂は、泣いて親友だというだろうし、ルーベンスも、笑顔で受け入れるのではないだろうか。ルーベンスは、文化人だったので、戦いとは無縁な人間だった。もともと風景画家を目指していたのだが、人物画が得意だったため、仕事としては人物画が多かった。しかし、晩年になると、自分が好きだった風景画を主に描くようになっていく。そんなルーベンスが、黒人を描いた色彩粗描が残っている。この色彩粗描は、後年の画家達に強い影響を与えた作品でもある。ルーベンスの描写力の高さ、確かさが分かる作品だ。身近にいる黒人をモデルに、ささっと描いた色彩粗描だろうが、それだけに、見事な程のリアリティを感じさせる。ただ、普通に油彩で描いただけでは、このような実在感は、表現できず、どうして、このような表現ができるのかには、それなりの理由がある。その秘密は、支持体だ。アメリカのワイエスの作品も素晴らしい。凄すぎて、別次元の作品のように思える。ワイエスは、1900年代の後半に活躍したアメリカの画家だ。
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