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2020年11月30日20:05

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新潟出発前夜

 今、自室に掲げたカレンダー11月をびりっと破った。とうとう今年も残すところ、あと1カ月。
 朝10時、記入した車庫証明をリュックに入れて警察署へ。収入印紙2600円分を添えて提出した。署内は免許の更新に来た市民が多くいて密状態だった。
 帰りに銀行へ寄ってお金を少々引き出す。新潟往復でいくら要るのだろう。よくわからない。最近はホテルの宿泊代、数千円以上の買物などはすべてカード払いになってしまった。スマホ決済はしていないものの、実質的にはキャッシュレスに近づきつつある。
 帰宅後は心を落ち着かせるべく、翻刻に取り組んだ。読みがたい漢字が出るたび、漢和辞典かネットで調べ、前後の文章や詩人の文体を鑑みながら解明に努める。それでもわからない文字が出てくる。そうなると気が沈む。不明の文字は□で代用して次に進むのであるが、多いときは一日に数カ所、わからないまま。
 午後3時になったので、ラズリの散歩を兼ねて、地域の氏神様を訪ね、お願い事をした。どうか無事で、などと。
 昨年の11月、木内みどりさんが亡くなられた。それまでほぼ毎日のようにiPhoneで彼女のツイートを読んでいた。そして、彼女のつぶやきが更新されなくなっても、お気に入りに登録された「木内みどりTwitter」は削除していない。
 今夕、久しぶりにそこへ飛んでみたら、彼女の娘さんがみどりさんの著書『あかるい死にかた』出版に寄せて、文春オンラインにインタビューを寄せていた。
 みどりさんが亡くなられた広島で家族葬が営まれ、葬儀社の担当者からご焼香をと言われて、辞退したらしい。
「お線香の刺し位置まで指示するのを見て、その人が悪いわけではないけれど、なるほどこれがみどりさんの嫌いなお葬式屋さんか、と思わず笑ってしまった」
 母が母なら、娘も娘。
 私もほぼ同感だ。
 テレビの葬儀屋CMで「母が好きだった紫を皆さんにつけてもらえばいいでしょう」などというセリフを聞くたび、マジでそんなこと言ってるの、と思ってしまう。葬式はセレブレーションではない。個人ひとりひとりが死者と向きあって送る、それ以上でも以下でもなくて、演出なんてくそくらえだと私は思ってしまう。人間の死を受け容れる。謹んで送り出す。たったこの2つだけだ。
 私、木内さんのツイッターはiPhoneが生きている限り、消しません。
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