今週月曜日、山田太一原作の映画『異人たちの夏』をネット配信で観て、この映画を好いているマイミクさんに簡単なメールを送った。たまたま封切り当初にこの映画は映画館で観ていて、さらにたぶんテレビで放映されたときに録画して観直したと思う。
この映画がきっかけになって、山田太一の小説『飛ぶ夢をしばらく見ない』を思い出した。Amazonで調べてみたら初版は1985年で、私は1988年刊の新潮文庫で読んだ。ストーリーの欠片ひとつ覚えていない。が、夢中になって読んだことだけは確かで、再読してみようと本棚を探したのだが、見つからなかった。
今日、晩ご飯を食べてシャワーを浴びたあと、『飛ぶ夢〜』をネットで調べてみたら、NHKのラジオドラマ版がYouTubeにあがっているではないか。1時間弱なので聴いてみることにした。
大学時代、退屈な週末には決まってラジオドラマを聴いた。5年の間、私はずっと退屈だったようで、ライブやジャズ喫茶に行かない限り、聴いていたように思う。部屋の電気を消して、ステレオラジカセの正面に座るか寝っ転がっtえ。
当時のスタイルを踏襲し、左右のパワードアンプの真ん中に座って、照明も消した。
ドラマが始まった。音質がいい。
20分を過ぎたあたりで、こんなに甘ったるいファンタジーだったっけかな、と心がこよばゆくなって耐えられないほどだったが、本を読むのと違ってただ受け身で聴いていればいいだけなので、我慢して最後まで拝聴した。
ラジオドラマを聴く、というのはずいぶんと楽しい趣味だ、と思った。街に溢れるさまざまな音、登場人物の息づかい、心を鎮めたり昂奮させたりするBGM。暗闇の部屋で目を瞑って聞いていると、イマジネーションが具現化する。小説とはちょっと違う想像だ。
違法なのだが、ネットには何十本何百本というラジオドラマが落ちている。拾い集めて聞くばっかり、というのは少し気が滅入るけれど、たまに部屋の灯りを消して音と声に「見入る」のもいいかもしれない。あるいはNHKでは毎週FMシアターがあるので、40年前に立ち帰って聞いてみようか。
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