パンツ3本を染色。専用のガスレンジもなければ鍋もないので、1本ずつ30分ほど煮ていると、あっという間に2時間が経っていた。これを色が出なくなるまですすぐ。が、洗っても洗っても黒い染料が出て、1本につき20分くらいかかってしまう。
天然素材を使った染め物工房は、蕎麦打ちより私の中では上等な趣味(仕事)だが、さぞや根気が要ることだろう。
クスリを処方してもらいに、午後3時過ぎ、近所の病院へ自転車で行った。普段は通りいっぺんの「ご挨拶」程度で診察は終わるのだが、今日は副鼻腔炎について相談した。本来は耳鼻咽喉科だが、ここの病院にはなかった。
市内の耳鼻咽喉科へ行ってCTスキャンひとつ撮ってもらえず「慢性の病気ですから治りませんよ」と言われたことを笑いながら伝えたら、医師も声をあげて笑い「小さな医院に行ったらそんなものです」などと嬉しそうなのだ。ひとの不幸をなんて思ってる。で、鎌倉からほど近いオススメ病院を挙げてくれた。この医師は患者に対して親身で、的確な判断をされ、さらに便宜というか融通を利かせてくれる(公には書けないことも含む)。そして何より性格がいいため、ほっとするのである。が、その先生にして、私が町医者に行った後日談を面白がるのだ。
実は、診察まで15分くらい待合ロビーで待っていたのだが、その間に今日初めてスマホを見てみたら、大阪在住の友人からSMSが入っていた。「ちょっとは元気になった?今月末にまた上京する。また会おう」という内容だ。ロビーはケータイOK!なので、すぐに返事を書いた。「あまり元気ではないのだが、日にちが決まったら教えてくれ。あまり金がないので300円分くらいの元気を売ってくれよ」
とソッコーで返信があって「あはっ、オレもど貧民や〜」などと書いていて、笑顔の顔文字が打たれていた。こいつも私の不幸を喜んどる。彼も性格がとてもいい男だ。なのに貧乏で300円っきゃない、というくだりに共感している。
医師にしても友人にしても、私がイマイチな状態を楽しんでいるようにさえ見える。
これがまことに愉快で、私自身、いま置かれている情況が楽しくなってきた。
法然や親鸞が説いた悪人正機説とは、まさにこのことを言うのではないか。愚かな凡人こそが救われる。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」のでくのぼうも然りだ。
病院の会計待ちで、こんな思いを漠然と抱いていたのだった。
ログインしてコメントを確認・投稿する