今日は午後1時半に神奈川県庁近くの弁護士事務所を訪ねることになっている。交渉事が苦手な私にとって、朝起きたときから気が重い。生きて行くのはしんどい、と気持ちはあらぬベクトルに向いて抑うつ状態だ。
それでも正午過ぎに自宅を出て、横須賀線と京浜東北線を使ってJR関内駅へ。昨日と一転、快晴で暖かい。家のパソコンでプリント・アウトした地図を頼りに、弁護士事務所へと向かった。1本早めの横須賀線に乗ったので、迷ったとしても10分前には着く計算だ。
赤レンガ倉庫、山下公園、県庁といった旧横浜の中心街は、土地鑑があるようでない。方向感覚はあるのだが、距離感がイマイチ掴めないエリアだ。
弁護士事務所が入っているビルの前に午後1時15分着。この一角を一周して時間を潰しつつ交渉の場でどんなことを言おうか、と頭の中を整理した。
……やっぱり交渉はうまく行かず、すごすごと事務所を出た。自分らしい。
赤レンガ倉庫やインターコンチネンタルホテルが遠くに見えるので、駅から遠ざかるものの海に向かって歩いた。風が強いせいか、絵に描いたような青空だった。豪華客船が着岸していて、観光客らしい人たちがあちらこちらでスマホをかざして写真を撮っていた。小型犬を連れて歩いている人も複数いた。近所の住人なのだろうか、クルマに犬を乗せて来た観光客なのだろうか。すぐ先には山下公園があるので、後者の可能性がやや高い。
しばし海を眺めたところで関内駅に引き返した。♪ 往きはよいよい帰りは恐い と歌う「通りゃんせ」の気分。
鎌倉駅に戻って、若宮大路を渡ろうとしたら、いつも立ち話をするボロTシャツ屋の店主さんが店の前に立っていたので、声を掛けた。
この店は不思議な異空間で、いろんな人が少し立ち止まっては通り過ぎて行く。開店してちょうど20年になるという。
しばらく店主と立ち話をしていると、普段は日曜にしか来ないNHKのディレクターが来て、今度は彼と私の会話になった。
30分近く話し込む。別れ際、彼が「『森の詩人』がジュンク堂にあったので買いましたよ〜」と言ったので、恐縮してしまった。
うちに戻ってすぐにAmazonで彼が書いたビジネス本をポチった。彼も1冊、書籍を出している。さらに彼の話のなかで出てきた単行本も注文した。話の流れから本を買う、というのは生きて行くためのエチケットみたいなところがあって、面倒だなという思いもあるのだが、面倒くさいと全否定したら生きること自体が面倒くさいということに繋がってしまう。
そのあとラズリを散歩に連れて行き、帰宅したらぐったりで、もう何をする気も起こらない。今日の歩数は1万歩を超えた。
話は前後するが、昨日の夕刊に3月11日生まれの芸能人が2人載っていた。篠田麻里子と織田哲朗だ。若い和田アキコといった感のある篠田は運命を感じ、やや老けたものの相変わらず二枚目の織田はぜんぜん気にしていないと語っていた。なお織田は震災後、幾度もボランティアで被災地を回っているそうだ。
で、夜寝る前、YouTubeにアクセスしたら、トップ画面のオススメ動画に織田哲朗の「いつまでも変わらぬ愛を」が入っているではないか。私は一度もYouTubeで織田の歌を聴いたことがないにもかかわらず、だ。Jポップ関連、とのことだった。。
これも何かの縁かと思って聞いてみると、昔のCMに使われていたメロディだった。歌詞を噛みしめるように聞くと、オーソドックスでストレートな詩なのに意味深だった。で、投稿されたコメント欄をしばし読んでみて、この曲が自殺した兄を追憶する歌であるということを知った。道理で心にしみ入ったはずだ。大震災より遙か前に作られた曲なのに、震災後に歌われても違和感のない歌だった。ちょっとした偶然からでも小さな感動を得られるものだ。だから自分の感性を信じようと思ったのだった。
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