mixiユーザー(id:6486105)

2015年06月24日21:05

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味噌好き

 お味噌を買いに信州へ。
 発酵食品全般(但しお酒を除く)が好きで、なかでも味噌は格別の旨味と酸味とコクだと思う。地方を旅するときは行く先々で買ってみる。昨年、諏訪へ行ったとき、人気スポットになっている「丸高蔵」で信州味噌を買い求め、使ってみたら絶品の味だった。通販であるのかもしれないが、クルマがあることだし味噌を買い出しがてらドライブをした。
「丸高」の味噌はスーパーなど市販されている味噌と同様、真空パック詰めだ。子どもの頃、商店街には味噌屋があって、母は樽に入った味噌を量り売りで買っていた。たぶん日本中、味噌はそんな買い方だった。
 今回はそんな昔ながらの味噌屋を見つけて買いたい。事前にネットで調べ、一応10軒くらいの味噌屋の名前と場所を手帳にメモした。味は食べてみないとわからない。
 泊まったホテルからクルマで4〜5分の「伊藤味噌醸造店」を訪ねてみた。
http://www.lcv.ne.jp/~maruki30/homepage/
 ホームページを見る限り、伝統的な手作り味噌だ。普通の味噌で2年、3年味噌も販売されている。
 店は構えも造作も昭和なもので、味噌樽が5つくらい並んでいた。「こんにちは」と声をあげたら、60歳代くらいの女性が出て来て、味噌の説明をしてくれた。
 樽は埃や雑菌が入らないよう蓋をしてあったが、開いて見せてくれる。
 1キロ450円。なんだか申し訳ないような値段だ。おばさんの顔を見ながら「大して儲からないでしょ?」と尋ねると、笑いながら「ええ、いまや趣味でやっているようなものね」と応えた。で、結局2種類の味噌を買った。透明ビニールの袋に味噌を入れて重さを計り、輪ゴムで留めて「はい、どうぞ」と、これも昔ながらのやり方だ。大手と違って、ロゴや屋号が印刷されたビニール袋もない。
 せっかく諏訪まで来たので「丸高」の味噌も買った。こちらは冷蔵庫に保管しておけばいくらでも保ちそうなので、まずは「伊藤味噌」から使ってみよう。
 で、うちに戻ってすぐに味噌汁にして飲んでみた。
 小さい頃の味と寸分違わない。おばさんが「うちの味噌はいっさい添加物をいれていない」と言っていたから、昔の製法を守って余計なものを入れてないのだろう。いまはかつおだしになってしまったが、かつては煮干しだった(於関西)。たぶん瀬戸内海で獲れる小さなカタクチイワシを干したものだろう。乾物屋に行ってそんな煮干しを買い、再現してみよう。だしをとった後の煮干しはラズリの副菜になる。
 まともな味噌汁を出す店が少なくなった。学食の一杯5円だった味噌汁と五十歩百歩だ。味は調味料などの添加物で旨くはなったが、風味や雑味がない分、まるで工業製品を味わうような「味気なさ」が同時にある。騙されてはいけない。味噌汁はしょせん味噌汁であって、発酵による酸っぱさとか、潰れ切っていない大豆が底に沈んでいたりだとか、飲んだ瞬間に感じるしょっぱさだとか、自然の味がはっきりと口当たりに残るものだ。たとえ冷蔵庫に保管したとて、独特の香りがどうしても匂うものでもある。
 だからいまの美食ブームは嫌いだ。どんな店もオール4のやや優等生的な万人向けで、尖った味は平準化させ、自然の味を壊すことが美味い料理と考えられるようになった。個人的には、オール4の人間がいちばん嫌いなタイプなので、この風潮で自分の舌が麻痺しないよう努めたい。というのも、ファミレスで安価に提供されるハンバーグとか、インスタントの味噌汁の素とか、これはこれで騙されるほどにおいしいから(笑)。
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