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2026年09月20日17:05

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8/7・9/14 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画@東京都美術館(その2)



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(その1)からの続きです

1-3 江戸時代中期から後期、そして明治へ

狩野休栄《隅田川長流図巻 中巻》宝暦〜明和年間(1751~1772)
西洋の遠近法とは異なるけれど、隅田川の広さ、架かる橋の大きさを強調してダイナミックなパノラマを見せてくれる。
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橋の上でひしめき合う人々の生き生きとしたしぐさ、生活感。図巻を見る楽しさである。張り付いてしまい流れを滞留させてごめんなさい
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源��《妖怪絵巻》宝永7年(1778)
源��はたしか円山応挙の高弟。百鬼夜行に倣ったものでなく、こんな楽しい妖怪絵を描いているのね。全部見られないのが残念。

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妖怪に驚いて転んだ貴族は烏帽子が脱げている。確か、貴族が人前で烏帽子を脱ぐのは、パンツを脱ぐほどに恥ずかしいことだったはず(笑
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作者不詳《野兎図屏風》江戸時代中期(18世紀)
野兎の絵では、大覚寺展で見た渡辺始興の腰障子図もよかったけれど、こちらもいいな。
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伝尾形光琳《松島図屏風》江戸時代中期(18世紀)
六曲一双で、このようなものを見たことがあるな、と検索したらボストン美術館にあった。現物はまだ見ていないかな。これは二曲一隻
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鈴木其一《三十六歌仙図》文政3年〜安政5年(1820〜1858)
三十六歌仙図を(たぶん)多く描いていて、他のも見たことはある。こちらは男性の黒装束がたらし込みで描かれているね。
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柴田是真《鍾馗に鬼図》(描表装)慶応元年〜明治3年(1865〜1870)
鍾馗様の一太刀に掛け軸から飛び出さんばかりに慌てふためいて逃げる鬼たち。ウイットに飛んだ是真の傑作。表装までも全部描いてしまうのが「描表装」だが、絹地の光沢感や日本刺繍の細やかさまで描き切るのは超写実。
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柴田是真《雪中鷲図》万延元年〜明治24年(1860〜1891)
これは以前も来日している。大好きな作品。鷲に睨まれ、狐が雪中にダイブ、身を隠す。積もった雪がどさっと落ちる音が聞こえる、緊迫の場面だが、クスッとしてしまう。
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谷文晁《雲龍図》江戸時代後期(19世紀)
でかい!
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樋畑翁輔、高川文筌《1854年、米国使節ペリー提督来朝図絵》安政元〜5年(1854〜1858)頃
画像なし
記録絵なのだが、ものすごく細かい。一番面白かったのが、最後、横浜応接所での饗応、接待の場面。現在のインバウンドよろしく、ぎこちない手で箸を持ち、珍しそうに日本のご飯を食べ、あちこちを珍しそうに眺め、語らっている。

芳園平吉輝《狐の嫁入り図》明和3〜13年(1870〜1880)頃
縦長の画面に、夜の暗がりの中を蛇行しながら進む40〜50匹もの狐の行列、奥に行くほど消え入りそうで、幻想的。狐の嫁入り図は鈴木其一あたりも描いていた画題だけれど、この絵はかなり好み、画像なくて残念。

円山応挙《虎図》安永4年(1775)6月
応挙の虎は数多く見ているし、細長い画面に左右を切って虎の顔を際立たせた絵も他にあったが、こちらはより細く、しかも表装がカッコよく、痺れてしまった。
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円山応挙《香山九老図屏風》天明3年(1783)5月
白居易含む9人の老人がゆったりのんびり。喋っている最中に寝てしまうような、こんな年の取り方素敵だよなあ
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円山応挙《虎の子渡し図屏風》天明元〜2年(1781〜1782)
これも楽しみにしていた絵。

「虎が三匹の子を産むと、二匹は親と同じ虎の子だが、残りの一匹は豹が生まれるという。この豹は獰猛で、目を離すと兄弟の虎を食べようとする。川を渡る際には、母虎は、岸辺に虎の子供と豹を一緒に残さないように、運ぶ順番を考えなくてはならない。」という中国の故事がある。確か、龍安寺の石庭を「虎の子渡しの庭」と言ったとおもうけれど、石の配置からかな。
金箔地に水墨で岩と水流が描かれている。水の流れは細い線で、しかし流れはかなり速そうだ。虎は彩色で、金比羅さんの襖絵と同じ応挙虎。右側の岸に残されているのが獰猛な子なんだね。左岸で待っている子は舌を出しておっとりしている。母虎に咥えられ運ばれている子も従順そのもの。どの順で運んだらいいかはちょっと考えればわかるけれど、楽しいなぁ。
苦しい家計をやりくりするのを「虎の子渡し」というんだとは実は初めて知った。
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岸駒《虎図》天明4年〜寛政8年(1784〜1796)
応挙の虎がどこか可愛らしいのに対し、岸駒の虎は猛々しい。応挙は虎の皮を写生したが、岸駒は虎の頭蓋骨と四肢の骨を持っていてよく観察したというのでそのせいか。現代の絵のようにリアル。
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岸駒《芭蕉下猫捕小禽図》天明2年(1782)4月
岸駒は猫を描いても獰猛だ。捉えられた小禽は断末魔の叫び声をあげている。この画像、全体の一部で、本体は細長く掛け幅になっているのだが、上部に描かれている大きな芭蕉の葉陰に2羽の小禽が隠れている。仲間が捉えられているのを身を固くして見ているようだ。
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河村文鳳《鴨川武戯図巻》文化2年(1805)頃
岸駒の門人で、勧進相撲の様子を18mにわたって描いている。相撲観戦の人がぎゅうぎゅう。その中に蕎麦の出前や茶を売る人が渡り歩いているのだからすごい。スイカを食べるのはいいとしても、混んでいるからタバコはやめておいたほうがいいよ、と言いたくなる。画像なし。

西山芳園《虫行列図》天保15年(1844)
虫の擬人化は既視感があって、過去日記を探してみたら、2023年サントリー美術館「激動の時代 幕末明治の絵師たち」展でみた春木南溟《虫合戦図》だった。虫の描写はこちらの方が緻密だが、鳥獣戯画の伝統はあれども虫まで擬人化してしまう日本人ってすごい。
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西山完瑛《鸚鵡図》明治21年(1888)
西山芳園の息子。明治21年の作とはいえ、水彩画のような軽いタッチと色味が現代的
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英国ジョージ王子(のちの国王ジョージ5世)、久保田米僊《蛍図》明治14年(1881)11月5日
明治14年英国王室が日本に立ち寄った際のこと。ジョージ王子が墨でポツポツといくつかの「黒い点」を描き、そこに画家・久保田米僊がすかさず羽や足を書き加えることで、宙を舞う11匹の「蛍」へと仕立て上げるというパフォーマンス(席画)が行われた。子供の王子がニコニコ驚き、周りの大人が拍手している場面が浮かぶ。大英博物館では、大事に保管されているのね。
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第2章 浮世絵ー江戸の「いま」を映す万華鏡

2−1 錦絵〜八大浮世絵師〜


鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、初代歌川豊国、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳

紹介したいものは多々あれど、キリがないのと、展覧会場においてはやや飛ばしたので、省略。
そのうち、ほんのわずかだけ、どうしても気になったもの。

喜多川歌麿 《お藤と難波屋おきた》寛政5〜6年(1793〜1794)頃
歌麿が、寛政の3美人として難波屋おきた、高島おひさ、富本豊ひなの大首絵を描いたのは知っていたけれど、こんな洒落たことをしていたのは知らなかった。
おきたに巻物を手渡しているのが、鈴木春信が描いた評判の美人、本柳屋のお藤である。春信と歌麿には約30年のタイムラグがあるのだが、歌麿は春信の美人をおきたと一緒に登場せているのである。手渡しの巻物は、美人になる秘伝書なのかも。おきた「ありがとうござます、姐さんのようになれますよう、精進いたします」なんて押し頂いているみたい。
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喜多川歌麿《「歌まくら」》天明8(1788)

この作品、日本では「春画」として有名だけれど、英国では1995年の展覧会のポスターになって、歌麿の代表作として知られているらしい。英国人にとって歌麿イコールこれ、だったのね。女の顔越しにチラと見える男の切長の目がヤラシイ
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喜多川歌麿 《針仕事》寛政6〜7年(1794〜1795)頃
猫が出ているので紹介。


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マオが小さかった時、自分が写った鏡を初めてみて同じ反応をしたことを思い出す。的だと思ったのね、毛を逆立ててシャーッ!
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喜多川歌麿《寄辻君恋》寛政6〜7年(1794〜1795)頃
最下級の遊女の大首絵。地味な黒い着物だが、黒雲母摺(くろきらずり)を使っている。歌麿の、貧しいものへの優しさ。
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初代歌川豊国《三代目沢村宗十郎の大星由良之助》寛政6年(1794)4月桐座
白目にうっすら色が入っているが、これは版でなく、刷り終えてから筆で入れたもの。贅沢
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葛飾北斎《「万物絵本大全」版下絵》文政3年〜嘉永2年(1820〜1849)頃
世界規模の絵入百科事典を目指して描かれたものの、出版されずに幻となった「万物絵本大全」。出版されなかったからこそ、版下絵として残っているわけで、その数103点。大英博物館が2020年にまとめて購入。8点展示
「芙蓉 猫 花奴 同」
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歌川広重《「写生帖」》天保6年〜11年(1835〜1840)頃
これもまた珍しく、広重の写生帖も4冊展示。大胆にデフォルメした浮世絵も、こうしたしっかりした写生のもと作られたのね。
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歌川広重《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》天保4年〜6年(1833〜1835)頃
初版
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歌川広重《東海道五拾三次之内 日本橋 行列振出》天保4年〜6年(1833〜1835)頃
変わり摺の後摺。人も多くなっているが、空の色を見ると時間の経過がわかるね。
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歌川国芳《「猫の習字」かつお》天保13年(1842)頃

他に知っているのは、「なま川(づ)」「うなぎ」「ふぐ」「たこ」かな。まだあるのだろうか?


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2-2 肉筆浮世絵

磯田湖竜斎《犬を連れた美人》
プロローグで、アーサー・モリソン著「日本の画家」で紹介されていた。
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喜多川歌麿《文読む遊女》
歌麿晩年の渾身作。初の里帰り。着物の柄、何から何まで見事。
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鳥文斎栄之《楊貴妃笛吹図》
なんといっても気品がある
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葛飾北斎《為朝図》
曲亭馬琴『椿説弓張月』の完結を祝して制作、だから無茶苦茶豪華。
鬼ヶ島で、源為朝が愛用する巨大で頑丈な弓を島民(鬼の末裔)が数人がかりで必死に引こうとしているがびくともしない。為朝の弓があまりにも強靭で、為朝がものすごい怪力であることを示している図。
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この作品、以前サントリー美の「北斎展」でみた。《流水に鴨図》の展示は今回もあった。
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河鍋暁斎《素戔嗚尊の九頭龍退治》明治20年(1887)
水の中の龍の描き方がすごくて何度もガン見。
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河鍋暁斎《鳥獣戯画 鼠曳く瓜に乗る猫》明治12年(1879)

楽しい暁斎の戯画で終わるこの展覧会、やっぱりすごくよかったぁ。混んでても仕方がないか。


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10月18日まで
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