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2021年09月24日11:10

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9/23 ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス@bunkamuraザ・ミュージアム

箱根で西洋絵画を見るならポーラ、日本絵画を見るなら岡田の美術館である。猫が待っているため宿泊できない我が家は日帰り旅行。コロナ禍でそれさえもできぬ今となっては、厳選名品が渋谷に来てくれるのはありがたい。神泉駅からほとんど行き交う人ない道を通っていかれるのもこの時節安心だ。

土日祝と会期末の一定期間は予約必要。前日にネット予約。ランチは1Fロビーのカフェ。開放的でゆったりした席間が安心。
ここから見えるギャラリーがいつになく賑わっている。恒例の「万華鏡展」だ。
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予約時間まで覗いてみたが、外観も凝りに凝った万華鏡の数々。しかも万華鏡作家ってこんなに沢山いらしたのね。濃ゆそうな世界だ。
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これも万華鏡!フォト
こちらは28日まで。


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12時半予約で45分頃入場。結構混んでいる。絵画74点と化粧道具12件なので決して多くないが、絵画全てに解説付き。加えて音声ガイド使用の人が多く、滞留しがち、特に角の作品前はやや密。前回マン・レイはガラ空きだったのに、印象は人気は根強い。
撮影可の場所はなし。
特筆すべきは、絵画作品の合間に、当時パリジェンヌが愛用した化粧道具が展示してあるのだが、下に鏡を敷いてあるガラスケースで、これがまた絵と調和して美しい世界を作っている。女性好みだ。

https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_pola/
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Bunkamura ザ・ミュージアムは、「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」を開催。モネやルノワールから、マティス、シャガールまで、フランス絵画の巨匠28名の作品が一堂に集結する。
 甘美なるフランス(ラ・ドゥース・フランス)」とは、美しく、穏やかで、稔り豊かなフランスとその文化を賛美するため、古くから親しまれてきた表現。19世紀後半に出現した印象派の画家たちは、日常生活や余暇の愉しみなど、あるがままのフランスを画題とし、新たな「甘美なるフランス」の世界を描き出した。
 続く20世紀のパブロ・ピカソら外国出身の画家たちの作品にも、画家それぞれの祖国とともにパリのエスプリが感じられ、パリで展開された芸術活動のまれに見る豊かさをいま伝える。
 本展は「女性像」「パリ」「旅」の3つをキーワードに、ポーラ美術館(箱根・仙石原)のコレクションから印象派〜エコール・ド・パリまでの時代にフランスで活躍した、人気画家の絵画74点を厳選して展示。また当時のパリジェンヌたちが愛用したアール・ヌーヴォーとアール・デコの化粧道具12件も紹介する。
 出品作家は、ジャン=バティスト=カミーユ・コロー、クロード・モネ、ピエール・オーギュスト・ルノワール、カミーユ・ピサロ、アルフレッド・シスレー、アルマン・ギヨマン、ポール・セザンヌ、ポール・ゴーガン、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・シニャックほか多数。

1都市と自然ーモネ、ルノワールと印象派
2日常の輝きーセザンヌ、ゴッホとポスト印象派
3新しさを求めてーマティス、ピカソと20世紀の画家たち
4芸術の都ーユトリロ、シャガールとエコール・ド・パリ


のっけから、銀灰色のコロー《森の中の少女》、モネ《睡蓮》、ルノワール《レースの帽子の少女》…善き絵が並ぶが、ポーラ美術館には何度も訪れているので、同じ絵を過去日記に何度も取り上げている(好きな絵を自然と選んでしまう)。なので、今回は過去に取り上げたことがない作品だけに絞って紹介します。(過去日記は「ポーラ美術館」で検索してくださると出てきます)


モネ《花咲く堤、アルジャントゥイユ》フォト

何度も見たが、日記に取り上げたのは初めて。手前にダリア咲乱れる堤、その遠くには工場の煙突。新時代の風景を、同じく時代に敏感な浮世絵の構図を真似て描く。

ルノワール《ムール貝取り》フォト
バーンズコレクション《ベルヌヴァルのムール貝採り》の縮小版。少し珍しい感じのルノワール。

モネは6点、ルノワールは8点の充実。

ピサロ《エヌリー街道の眺め》フォト
明るい陽光を意識しながらも丹念に筆を重ねていく。ピサロは3点あり、次第に点描の明るい絵に移行していく。

シスレー《ロワン河畔、朝》フォト
モネ《睡蓮》と同様正方形のキャンバスに明るい絵

ギヨマン《ロバンソンの散歩》フォト
ダンスホールのあるカフェ・レストラン、居酒屋を「ガンケット」といい、流行ったらしい。右手はロバに乗って散歩するアトラクションだって。アミューズメントパークか。

セザンヌ《オーヴェール=シュル=オワーズの藁葺きの家》フォト
好きな静物の展示はなし。ルノワールの旧蔵品。

ゴーガン《白いテーブルクロス》フォト
タヒチ以前のゴーガンの方が好きだ。セザンヌやピサロの影響を受けている。聖母被昇天祭の慣習で、宿屋の夫人に作品を進呈したとのこと。聖母被昇天祭の慣習なんてあるのか。

ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレース橋》フォト
赤のアクセントが効いていていい作品だなと思う。ゴッホ展が都美で始まったので、例外に再掲。

シニャック《オーセールの橋》フォト
人影がいい

ボナール《地中海の庭》フォト
大きな作品。手前にはミモザ、奥にはシュロの木。オレンジ色の女性と子供が左右にいて、絵の中へおいでと誘っている様。

ラプラード《バラを持つ婦人》フォト
今回とても気になった作品。荒い筆致で描かれていてどういう情景かよくわからない。水差しと黄色いのはパンか、チーズか。タイトルにある様にバラを持っているのだろうが…わからないが、好きだ。

ラプラード《ヴェルサイユ》フォト
もう1点はこちら。

《バラを持つ婦人》の横には、この蛇文香水瓶が展示。どちらもほのかなバラ色が少しけだるく、メランコリー。
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ヴラマンク《シャトゥー》フォト
ヴラマンク《湖》フォト
明と暗、2点が並ぶ。

マティス《紫のハーモニー》フォト
マティス《襟巻の女》フォト
こちらも対照的な色調の2点が並ぶ。マティスの人物描写、色柄遣いはいい

ブラック《ティー・ローズの花籠》フォト
中国の薔薇の品種をいくつか掛け合わせてつくった、紅茶の香りのするティー・ローズ。横長の画面いっぱいに、丸い花と格子のクロス、素敵だ。
大好きなルノワールの《アネモネ》は以前お持ち帰りしたので、今回の妄想お持ち帰りはこれに決定。

ピカソ《花売り》フォト
ゲルニカ制作の後にできた作品

ユトリロ《シャップ通り》フォト
ユトリロは好きではないが、この作品は、一番いい時のユトリロだろうな。素晴らしい。

スーティン《青い服を着た子供の肖像》フォト
スーティンは決してお持ち帰りしたくないが、好きな画家。これは本展一番。わざとふてぶてしい態度で挑発する様な身振りのうちにある怯えの感情を見事に捉えているという。長く伸びる手足と赤い襟がいい。

パスキン《果物を持つ少女》フォト
パスキンの色は曖昧で気怠い、細い輪郭線が弱々しいのに鋭く、なんともいえない退廃的雰囲気を醸し出す。

ローランサン《女優たち》フォト
それに比して、ローランサンの色は美しいパステルカラーなのだが、私はなんとも言えない不穏さがチラ見えする様に感じてしまうのよ。

ドンケン《乗馬(アカシアの道)》フォト
ドンケンは《灰色の服の女》も出ていたが、あえてこれを選ぶ。正面に馬車、左右の乗馬と自転車は広角レンズで撮った様に少し歪んで程面白い。自転車というのも新しいアイテムだ。

シャガール《私と村》フォト
最後はシャガール4点。小さく描かれた、乳搾りの女や、農作業の男女、逆さになった小さなお家が可愛い。

11月23日まで
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