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2024年05月01日05:39

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この句跨りはアリ!

もう15年前になるが、「こんな句跨り、アリかあ?」というのを書いたことがあった(*)。
(*)https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1162881750&owner_id=20556102
「短歌人」2024年3月号の「ベスト3」の拙稿(**)にても「ただただ音数合わせのための句跨りには意味がないので、筆者は採らない」と記したくだりがあった。
(**)https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987076066&owner_id=20556102

「家を売ることにしました!」父のその文面の軽さが重すぎる  遠藤健人

上記の一首は「NHK短歌」(2024.4.14)の入選歌より。
「家を売る/ことにしました!」/父のその/文面の軽/さが重すぎる
という句切れで、「軽/さ」の箇所が句跨りになっている。
選者の俵万智さんは、この句跨りによって「軽さ」という語に力が入り、「軽さ」の痛々しさが伝わる、と言われていた。
しかり、しかり。この句跨りはアリ!

しかし、僕は「NHK短歌」を初回から見ているのだが(当初は「NHK歌壇」)、担当する選者も次第に世代が入れ替わって、今では、句跨りというのはこんなふうに使うんですよ、と解説してくれる俵さんのような選者は、もはやかなり上の世代に属する、ということになってきたような気がする。ちなみに「NHK歌壇」スタート時の選者は馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、安永蕗子さん、岡井隆さん。司会は1週・2週が水原紫苑さん、3週・4週が俵さんだった。


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