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2019年02月18日00:07

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文学館の新収蔵品展

山梨県立文学館で、新収蔵品展「手書きのリズム」。
芥川の原稿や、与謝野晶子の百首屏風などが目玉。
俳人の短冊や、県内の知人に宛てた文学者のはがきなども。
与謝野晶子・鉄幹の資料の多くは萬屋醸造店から寄託されたものだ。
この酒屋の代表的な銘柄は「春鶯囀」(しゅんのうてん)。
同店のサイトでは、以下のような説明をしている。
昭和8年に与謝野夫妻が宿泊し、晶子が
「法隆寺など行くごとし甲斐の御酒春鶯囀のかもさるる蔵」と詠んだので、
銘柄名を「一力」から「春鶯囀」に変えたと。
この歌を晶子が詠んだのはたしかで、今回もこの歌を表装した軸が展示されていた。
しかし、別の酒を造っているのに、いきなり「春鶯囀のかもさるる蔵」と詠むだろうか。
疑問に思って調べると、昭和3年にはもう「春鶯囀」の名前になっていた。
つまり、晶子の歌によって改名したのではないのである。
このことは既に書いたこともあるし、文学館の学芸員の方とも話したことがある。
もちろん、今回の展示では、春鶯囀の命名の元になった等の説明はない。
しかし、数日前の山梨日日新聞の記事には、命名の元になった旨の記述がある。
一度、間違った説が流布してしまうとなかなか訂正がきかないものなのだ。


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