『エンドレス・ワイヤー』以来、8年ぶりのフーの新曲「ビー・ラッキー」。
『エンドレス・ワイヤー』のオープニング曲「フラグメンツ」が思いっ切り「ババ・オライリー」風のシンセ・ロックだったのに対して、「ビー・ラッキー」は「リレイ」や「レッツ・シー・アクション」に通じるミディアム・テンポとシンプルなギターリフで徐々に盛り上げる、これもピート得意のヘヴィ・ポップ。
もはやこの人なくしてフーを語れなくなったザック・スターキー(在籍期間ではキース・ムーンを超えている)のドラムがどっしりとアンサンブルを支え、御大ピートのギターも気持ちよく鳴っている。
特筆すべきは、ロジャーの声が8年前の『エンドレス・ワイヤー』の時よりも若返っていて、全盛期と遜色ない張りがあること。
ポール・マッカートニーといい、この世代のおっさんたちの「老けなさ」加減には、本当に、呆れ、驚かされ、そして感動させられる。
かつてフーは「老いぼれる前にくたばりたい」(マイ・ジェネレーション)と歌ってモッズのヒーローになったが、まだまだくたばる必要はない。何故なら、彼らは全然老いていないから。
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