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2024年05月01日21:52

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本棚626『誰も知らない世界のことわざ』エラ・フランシス・サンダース(創元社)

 この間読んだ『翻訳できない世界のことば』が面白かったので、同じ作者の、世界のことわざを集めた本書を手にした。

 「一輪の花だけが春をつくるのではない。」(アルーマニア語)のように意味を推し測れるものもあれば、「誰かをその人のスイカからひっぱり出す。」(ルーマニア語)のように、説明なしでは全く意味不明のものもあって、謎解きのような楽しさがある。

 素敵だなと思ったのは、アラビア語の「ある日はハチミツ、ある日はタマネギ。」ということわざ。良いときもあれば悪いときもある、と言ってしまうと、無味乾燥で少しお説教ぽいけれど、ハチミツやタマネギと言うと、なんだかユーモラスで微笑ましくなる。あるものに対する見方が国によって異なるのも興味深い。ハチミツの甘さは万国共通だけど、タマネギは辛く、涙を催すということなのだろうか。地元の淡路島のタマネギはとても甘くてみずみずしいのになとつい思ってしまう。

「つまるところ、人生は予想のつかないもの。いつも奇妙で、タイミングの悪いことの連続です。でも、同時に、人生は切ないほどに美しく、この世界はありとあらゆる方法であなたを助けてくれようとします。だから、ある日がもしタマネギのように辛い一日であったとしても、私はだいじょうぶです。」
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