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2024年04月29日20:30

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「葬送のフリーレン」小説と13巻

・葬送のフリーレン 前奏 著:八目迷
話題の前日譚小説である。
「安らぎの日々」ちびフェルンとハイターの話。
「英雄になった日」シュタルクが頑固親父から勇気をもらう。どちらもハートウォーミングな好エピソードだが、有りがちで意外性がない。
「二人なら」カンネとラヴィーネが学校の試験を受ける。女の友情が美しい。次は一級になれるといいね。

「放浪する天秤」最も楽しみにしていたアウラ視点のストーリーだ。勇者パーティーとの戦いに敗れて深手を負い、北部へと逃走する。リュグナーの気配りが何か笑える。リーニエとドラートは、アウラとまともに会話しない。そうだろうなあ。マハトに相手にされないのに絡んで行くところが、可哀想可愛い。格が違うのか。
盲目の少年との会話は結構ときめいた。期待通りでもあり、物足りない気もする。アウラの感情の動きをもっと読みたかったが、原作は感情的表現が至極あっさりしているし、魔族は人間の持つ愛情や執着が無いので、こういう描写にならざるを得ないのか。これでいいのだろう。最後の「もう忘れてしまった」がアウラらしい。
「葬送」はフリーレンが馬車の中でうたた寝している。同乗していたフランメが降りる。目が覚めると勇者一行が一緒で、ヒンメルが先に降りる。馬車は彼女の人生のメタファーだ。あの世界を文学で表現した逸品である。
★★★★★

・葬送のフリーレン 13巻
巻を重ねてもまったく質が落ちない。一話で完結するショートエピソードがどれも面白い。もと貴族の裸のおっさんが愉快だ。
今までの敵は魔族か魔物だったが、初めて殺意を持つ人間が登場した。この世界に子連れ狼の「草」みたいな人種が存在したのか。味わい深い話だった。
新章は帝国の殺し屋とのバトルになるのか。楽しみである。
★★★★★
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