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2024年04月28日19:14

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小人プロレスと身障者プロレス

似たテーマのドキュメンタリーを二本見たので、一緒にレビューします。

『森達也テレビドキュメンタリー集』
ミゼットプロレス伝説(92年放映)
「福田村事件」の監督が作ったドキュメンタリー集だ。尖った内容の作品ばかり4本収録されている。私の目当ては本作である。
全日本女子プロレスでは小人のプロレスが行われていた。80年代に一度だけ見たことがある。ビューティーペアが解散してクラッシュギャルズがデビュー前のブームの谷間のような時期だ。まだ選手たちが健在で、賑やかな6人タッグマッチは大いに笑わせてもらった。

92年当時には選手が2人しかおらず、消滅しかかっている。一夜限りのTVマッチのため、引退した選手たちが集合した。リングに上がるため鍛練し、観客を楽しませるために激しい技の攻防を見せる。低身長者限定であっても、これは立派なプロレスだ。彼らはれっきとしたプロレスラーだ。試合は充実した楽しい仕上がりで、客席も沸いていた。映像として残してくれたことに感謝したい。全女の社長はバブル期に無茶な投資で会社を潰したそうで、ファンからの評価は散々である。
でもミゼットプロレスの育成と保護に熱心だったそうで、選手からの信頼も厚い。この日もレフェリーを勤めている。見直した。感動的なドキュメントである。★★★★★

『DOGLEGS』(2016) 監督:ヒース・カズンス
身障者プロレス団体ドッグレッグスをアメリカ人の監督がレポートする。様々な障害の選手がリングに上がるが、特別なルールはない。選手のプライドがルールだと。マイクで実況放送が入る。
「打撃が続きますが、虐待経験豊富なので平気です」
いや洒落にならんやろ。メインとなるのは「無敵のハンディキャップ」サンボ慎太郎と「最強のボランティア」アンチテーゼ北島だ。慎太郎は脳性麻痺(たぶん)で北島は健常者である。まったく容赦なく技をかけるのは、身障者問題へのひとつの解答かもしれない。が、痛まし過ぎてプロレスとして楽しめない。プロレスと銘打っているが、指だしグローブを着けて顔面を殴り合う総合格闘技ルールだ。危険すぎる。顔面パンチ無しのプロレスルールで良かったのに。
人物へのインタビューが散漫で、テーマが伝わりにくい。試合の映像を残してくれたのはありがたい。プロレスに挑んだ障がい者がいたという事実は記録しておく価値がある。★★★
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