こっぴどい猫

還暦間近の小説家は行きつけの飲み屋の新人店員の女性と親しくなり、性的な匂いを感じさせないところに段々と惹かれていく。小説家の娘夫婦は夫の浮気が原因で最近関係がこじれていて、近々に結婚を控えている息子も浮気をしたとかしないとかで彼女との仲がややこしいことになっている。原因の全ては小説家と親しくなった女性に関係していて、還暦を祝う会でそのことを理解した小説家は毒舌を吐きまくり、やがて創作意欲が沸き起こってくるのだった。
モト冬樹の芸能生活何十周年記念作と銘打った今泉力哉監督初期作。何十周年だったのかは忘れた。
主人公のモト冬樹が人のいい小説家を演じて、チャーミングではあるけど何か違うな、と違和感を感じていたらパーティーの席での毒舌を吐きまくるシーンに大笑い。そういうことだったか。
劇中でギターを弾くシーンがあり、何て上手なんだ、と思ったがこの人はギタリストでもあることを忘れていた。
恋愛のせこせこした場面の積み重ねも面白いが、最後に全部ぶち壊してしまう作劇に感心する。今泉力哉監督の映画はやはり面白い。