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2021年03月18日01:33

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女性投手が変化球で男子を三振に取る話だけど、ストレートに楽しめました。チェ・ユンテ監督「野球少女」(2019)。

サッカーなど、いろんなスポーツが男子と女子に分かれている中、野球だけはなかなか女子野球が一般化していないようです。そこに目をつけて、韓国野球で1997年に注目を集めた女性選手の物語をアレンジした映画らしい。

最初に“韓国では1996年までプロ野球に女性が入団するという話はなかった”とテロップが出たので、1996年の話かと思ったのですが、その実話を元にした現在の話のようです。←スマホを使っているからそう思ったしだい。ほかにも風俗が21世紀だし。

で、物語は、リトルリーグで活躍し130キロを超す速球投手として話題になった少女チュ・スイン(イ・ジュヨン)が、プロ野球を目指すというもの。しかしチュ・スインはプロ球界からお呼びがかからず、幼馴染の同級生イ・ジョンホ(クァク・ドンヨン)が選ばれます。彼はチュ・スインに負けてなるかと頑張ってきたわけです。

ところがプロ野球経験者のコーチらは、女子がプロ野球選手になんか無理と決めつけます。しかしチュ・スインのひたむきさに、しだいに応援するという展開。イ・ジュヨンのボーイッシュなルックと、さわやかなプレー姿がなかなかでした。ボールをキャッチするカットや、投げたあとの球筋などは映画トリック(CGを含む)ですが、十分説得力がある。

だから、母親のエキセントリックな反対意見や、世の中の常識というものの薄っぺらな描き方も無視できました。そもそも使っているグローブが新品なのがいかん(笑)。やはりドロースをたっぷり吸った、使い古しのグローブにしてほしかったな。←親友が“私のをあげる”と差し出した古いやつが合っていると思います。←20世紀の発想か?

とりあえずナックル・ボーラーとなるあたりは日本人選手の逸話をヒントにしているようですが、上原浩治投手の“僕は指が短い”という話を聞いた直後なので、とても説得力がありました。爪が割れないようにマニキュアを塗るのを見た妹が、“お化粧”というあたりもいい。130キロ台のストレートは、女性だとすごいけどプロ野球レベルからは平凡という、きちんと見切った作り方が薄っぺらな社会常識という発想を超えていました。

とりあえずボーイッシュなさわやかさに、74歳になろうとするジジイは「セーラー服と機関銃」の薬師丸ひろ子をかさねてしまった訳です。そういう意味で韓国映画は、やはり日本映画よりも優れていると言えるかも。少なくとも昨年アメリカのアカデミー賞で話題になった作品は15分で見るのをやめましたが、こちらは全編見ました。

もっとも劇場まで行って15分で出る人間はおりまへんわ。その気にさせたイ・ジュヨンの健気さと凛々しさに乾杯したいと思います。←僕の場合、乾杯はジンジャーエールだけどね(ウィルキンソンの辛口をお願い)。
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