テリー・ギリアムのドン・キホーテ

若いＣＭディレクターがスペインで撮影中、学生時代にドン・キホーテをテーマにした自主映画の撮影地に近いことを知ったため久し振りに訪れてみると、当時ドン・キホーテを演じた靴職人が今でも自分をドン・キホーテだと思い込んでいてＣＭディレクターを従者だと思い込み、何だかんだで冒険の旅に出る。
「ロスト・イン・ラ・マンチャ」で製作が中止に追い込まれる様を赤裸々に見せたテリー・ギリアム監督の幻の企画を執念で映画化。
こんな話だったのか。「ロスト・イン・ラ・マンチャ」ではＣＭディレクターが過去にタイムスリップする、という説明だったけど本作では現実と地続きのストーリー。
ドン・キホーテの物語はちゃんと接したことが無いけど、自分をドン・キホーテと思い込んだオッサンが従者と共に冒険行に赴く、という話だったはず。であれば本作は実はテリー・ギリアム版の現代を舞台にしたドン・キホーテの物語そのまま。
現実と非現実、狂気と正気、過去と現在など色々な要素が絡み合い一筋縄ではいかないストーリーが展開される。最近のテリー・ギリアム監督の映画はイマイチだったけど、本作は久し振りに面白く見れた。