ｈｉｓ

都会でのサラリーマン生活を辞めて田舎で自給自足生活をしているゲイの青年の許へ、かつての恋人が小さな娘を連れて訪れる。かつての恋人は現在離婚調停中で、始めは訝っていたものの一緒に暮らすうちに穏やかな時間が流れ、やがて田舎の人々にカミングアウトする状況とかつての恋人の離婚裁判という現実が迫ってくる。
今泉力哉監督の立て続けに公開された新作。恋愛映画の騎手、と呼ばれているが恋愛映画は同性愛も含めているのか。そうであるならこの監督は信頼できる。恋愛は男と女に限ったことではないし。
さてさてそんな本作だけど、恋愛映画ではあるけれどそれ以前に人間ドラマとして実に良い。擬似家族と本当の家族、子供にとっての幸せと親にとっての幸せ、などなどの問題を提起しつつ、このゲイのカップルはどうなっていくのだろうという興味も交えてストーリーは突き進んでいく。
テレビドラマで本作の前日譚があるらしいけど、ちょっと見てみたい気もするが映画は映画で完結している。
まだそれほどこの監督の映画は見れていないけど、今まで見た中では本作が一番良い。今年はもう一本新作があるようなので大いに期待しよう。