mixiユーザー(id:2615005)

2018年09月10日20:54

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17マジミラミク/松本清張と北村薫

マジミラ出撃寸前に届いた17マジミラミクさんのスケールフィギュア。
フォトフォト
もとがiXimaさんの絵だから、端正だなあ。
フォトフォト
言っては悪いが今年の子より女ぶりが数段上だ。まあ18ミクも発売されたら買うけど。

マジミラと相棒への対応に追われて、読書日記が溜まっている。読書の時間そのものが少なかったわけだが、移動中や半端な時間にかなり読んではいる。まず、松本清張を二冊。

・地の指(67)
路上で怪死した男を、ある人物が熱心に眺めていた。死者と関りがあるのか。タクシー運転手が口止め料をせしめようと、観察者の周辺を探る。やや無理があるが、緊迫感のある幕開けである。が、後がまずい。
精神病院を巡る不正事件につながるのだが、プロットが不自然で没入できない。終盤になって関係者がバタバタ殺されるのも、どうかと思う。殺人がおこるほどの状況とは思えないのだ。いちおう意外な犯人が登場するのだが、かなり無茶で説得力がない。思わせぶりに登場した「謎のメモ」の種明かしは、がっかりだ。
最も多作な時期だったらしいので、粗製乱造もやむを得なかったのか。★★

・風紋(68)
企業小説である。健康食品を大ヒットさせたメーカーの盛衰を、社員の視点から描く。
時期から考えて、モデルは「ポッカレモン」だな。当時けっこうな騒ぎになった。
社内のパワーゲームや人物描写は、なかなか読みごたえがある。題材はユニークなのだが、目いっぱい引っ張ったあげく、終盤であわただしく手仕舞いした感じだ。清張の凡作によくあるパターンだ。健康サプリ会社をテーマにした先見性は評価できる。★★★

・太宰治の辞書(15)作:北村薫
「円紫さん」の最新作である。初期の謎解きが好きだったので読んだが、思い切り失望した。女子大生のころの「わたし」が好きだった人は、読まないほうがいい。

「わたし」は四十歳近い大人で、中学生の息子がいる。が、日常を見ているととてもそうとは思えない。小説の一節にこだわって資料を探索し、インタビューに赴く。富裕層の独身者みたいだ。思い切り浮世離れしている。浮世離れは主人公だけでなく、作品世界全部がそうだ。今どき寄席が満員になる?漫画やミステリでさえ売れないご時世に、半世紀も昔の純文学にこだわる?どこの世界の日本だ。異世界かよ。

本作は需要があるのだろうか。私は並以上の読書家のつもりだが、まったく共感できなかった。広い日本には絶滅危惧種の純文学マニアも何人かは残っているだろうから、その人たちに向けて書いたのかな。★
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