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2018年01月06日11:38

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勉強会講話より「ヴィヴェーカーナンダの生涯」第一回(6)


【本文】

◎師との出会い

 青年になったナレーンドラは、神を求める思いに燃え、新進の宗教組織であるブラーフモー・サマージに入りました。しばらくの間はそこでの祈りや歌がナレーンドラの心を掻き立てましたが、科学的な眼を持つナレーンドラは、これらが真の宗教体験を与えてくれるものではないときづき、実際に神を見た人にこそ、ぜひ教えを求めなければならないと感じました。
 その切望は抑えがたくなり、ある日、ブラーフモー・サマージの高徳な指導者であったデベーンドラナートのもとに行き、無遠慮にこう尋ねました。
「師よ。あなたは神を見たことがありますか?」

 デベーンドラナートは当惑しながら、
「ねえ君、君はヨーガ行者の眼を持っているね。瞑想しなさい。」
と言って、話をそらしました。

 ナレーンドラは失望し、この師は自分の精神的苦悩を取り除いてくれる人ではないと思いました。
 引き続きナレーンドラは、他の宗教的指導者たちを訪ねて同様の問いかけをしましたが、皆、ナレーンドラを失望させる答えしかできませんでした。

 そのころナレーンドラは、カルカッタから北に少し離れたドッキネッショルのカーリー寺院に住む、ラーマクリシュナという聖者のことを耳にするようになりました。

 まずハスティ教授という人が、講義の中で宗教的恍惚について語ったときのことでした。教授はこう言ったのでした。
「宗教的エクスタシーとは、清浄さと精神統一の結果である。この種の恍惚体験は、特に現代においてはまれな現象である。私はその祝福された状態を体得している唯一の人を知っております。それはドッキネッショルにいるラーマクリシュナという方です。」

 また、ナレーンドラの親戚であり、ラーマクリシュナの信者であったラーマチャンドラも、ナレーンドラにラーマクリシュナのすばらしさを語りました。
「君が本当に精神的なものを深めたいなら、ドッキネッショルのラーマクリシュナを訪ねなさい。」




 はい。ナレーンドラが青年になったときに、神を求める思いに燃えて、当時新しい――よく出てくるね、あのケシャブ・チャンドラ・センとかが関わってた、ブラーフモー・サマージという、一種の新興宗教組織がそのころカルカッタで流行ってたと。で、それにナレーンドラは入ったと。これにはブラフマーナンダとかほかの何人かの、のちのラーマクリシュナの弟子たちも入ったわけだけど。だからおそらく、このころのカルカッタの一つの、神を求める人たちの中の流行りだったんでしょうね。
 で、そこでしばらくは、みんなで歌を歌ったり教えを学んだりしてたんだけど、まあおそらくナレーンドラは当然、前生からの素養や、あるいはもともとのラーマクリシュナとの強い縁――縁というよりも使命によって、「これはちょっとなんか違うぞ」っていうのは感じてたんだと思うね。ただみんなで集まって学んだり教えを聞いたり歌を歌ったりしてるだけじゃ駄目だと。じゃなくて本当に神を見た人、神を知った人、あるいは自分を導いてくれる師を探さなきゃいけないと。で、そこで、もともと、なんていうかな、ストレートな物怖じしない人だったので、その指導者的な立場の人たちに、「あなたは神を見たことがありますか?」と直接的に聞いたと。しかしみんな話をそらしたり、あるいは実際見てなかったり、全然失望する答えばっかりだったわけですね。つまりこれは、ナレーンドラのグル探しの時期だね。「わたしを本当に導いてくれる真の聖者はどこにいるんだ」と。で、運命的についにラーマクリシュナというワードが少しずつナレーンドラの人生に入ってきたと。
 この教授もすごいけどね。学校の教義の中で、「宗教的エクスタシーとは、清浄さと精神統一の結果であり、それは現代ではまれである」と。「しかしそのような人を一人だけ知っている」と。「それはラーマクリシュナだ」と。まさになんていうか、神の手下として言わされたとしか思えない感じ(笑)。ヴィヴェーカーナンダに気付かせるために。そう考えると面白いね。「さあ、そろそろヴィヴェーカーナンダ、気付け」と。「ラーマクリシュナがいるよ」と。「でもどうやって気付かせようかな?」って思って、神々が、「わたしたちが手伝いましょう」って言って、その教授に言わせたのかもしれない。「ラーマクリシュナしかいないんだよ」と。あるいは親戚だったラーマチャンドラという人も、ラーマクリシュナの信者だったので、ナレーンドラに対して、「君が本当に精神的なものを求めたいなら、ドッキネッショルのラーマクリシュナを訪ねなさい」と。
 はい。もちろんこのころは――このころはっていうか、ラーマクリシュナ自体は、本当に有名になったのはこのまさにナレーンドラ――ヴィヴェーカーナンダが世に広めてからなので、このころはまだナレーンドラを始めとする、高弟といわれる――のちに高弟といわれる人たちもそんなに集まっていない時期だから、まさに知る人ぞ知るっていう感じだったんだね。ドッキネッショルの田舎で、本当にわずかな、恵まれた人だけが集まってその教えを聞いていたっていう状態だったんだね。しかし、ドッキネッショルから少し離れたカルカッタに住むヴィヴェーカーナンダ、ナレーンドラの耳にも、おそらく縁によってそのワードがね、「ラーマクリシュナ」というワードが少しずつ入るようになってきた、というところだね。



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