ワールドカップと、『否定と肯定』

　朝起きてW杯ロシア大会の抽選結果を知った。
　さらに本日はJリーグの最終節で、首位鹿島アントラーズの対磐田戦と、2位川崎フロンターレの対大宮戦がともに午後2時からそれぞれNHKの地デジとBSで生中継される。本日はサッカーデーだ。鹿島が今年も勝ってしまうと弱い地元チーム（鎌倉ケマリーズ）を応援している私としては「またかぁ」というがっかり感が涌くので、ジュビロ磐田を応援するべく鹿島磐田戦を観ることにして、朝刊を閉じた。
　結果は、川崎が勝って首位を独走していた鹿島が引き分けたため、川崎フロンターレが初優勝となった。フロンターレはJリーグには珍しい超攻撃的なチームなのだが、まだ1度も優勝はない。なので、目の前で革命が起こったのを見たような気になった。
　
　夕刊で、あらためてW杯32チームのグループ分けをじっくりと眺めた。参加国中実力的にはブービーの日本だが、どうやら比較的恵まれたグループに入って「全チームに可能性あり」などと朝日の見出しにはある。なかなかに苦しい言い回しだ（笑）。
　記事の中に2002年開催の「日韓ワールドカップ」という大会名が出て来るのだが、この大会の正式名称は「2002 FIFA World Cup Korea/Japan」、つまり正確に記すと。韓日ワールドカップだ。が、この国では誰もこんな言い方をしない。韓国は日本より「下」の国だという差別的な意識と、日本は世界で最も経済的文化的なレベルが高い、という歪んだプライドが、こういう偏屈さとなるのだろう。
　さて韓国はと言えば、日本と違って「死のグループ」に入ってしまった。

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韓国は１日、ロシア・モスクワのクレムリン宮殿で開催された２０１８国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）Ｗ杯本大会の組み合わせ抽選会で、ドイツ、メキシコ、スウェーデンと同じＦ組に入った。日本はポーランド、セネガル、コロンビアと同じＨ組だ。
韓国は最悪の組を避けたという評価だが、決勝トーナメント（１６強）進出は容易ではないという見方が多い。一方、日本については「８組のうち最も有利に組に入った」という分析が出ている。

カンナバーロ氏の選択が両国の運命を分けた。第４ポットに属する韓日両国は最後のＦ組とＨ組を残してまだともに決まっていなかった。順序上、先に引かれる方がＦ組に入る状況でカンナバーロ氏の選択は「大韓民国」だった。これを受け、日本は最後のＨ組に入った。
韓国が属するＦ組は「いばらの道」が予想される。ドイツは前大会優勝チームであり、ＦＩＦＡランキング１位の強豪だ。メキシコはＷ杯本大会で毎回のように１６強に名を連ねるチームであり、スウェーデンは欧州予選プレーオフで強豪イタリアを破って本大会行きチケットをつかんだ。
相対的に日本は大きな負担なく本大会を準備することになった。ポーランドは第１ポットの国のうち相対的に力が劣るチームという評価を受ける。南米のコロンビアは先月のＡマッチ評価試合で韓国が２−１で勝ったチームであり、アフリカのセネガルは２００２年韓日Ｗ杯以来１６年ぶりに本大会に出場する国だ。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　韓国中央日報の記事
　日本はいいなぁ、それに引き換え韓国は強豪揃いで不運な抽選結果だ、という悔しさが露骨に滲んでいて、チョー面白い。まあこのグループだと、決勝トーナメント進出はドイツとメキシコで決まりだろう。
　しかし日本が入ったグループだってコロンビアとセネガルとポーランドが「3強」で、九分九厘、日本は1分2敗で予選落ちだ。韓国が日本にやっかみを覚えたところで大した意味はない。
　
　読むのがしんどくて中断していた『A4 または麻原・オウムへの新たな視点』（森達也他著）を読了。
　オウム真理教は狂った尊師・麻原ショーコーと狂信者の弟子たちによるテロ集団、という浅薄な国民的印象に、ずっと違和感を抱いている。
　大袈裟な喩えであることは自覚しているが、太平洋戦争で我が国は徹頭徹尾総括から逃げたのと同様で、臭いものに蓋をして終わりで、なかったことにする。いまだ毎月のようにナチスをテーマにした映画が作られるドイツと両極端な印象だ。昨日金曜日の夕刊は映画の記事と広告が満載で（朝日）、『否定と肯定』という来週公開の映画広告を私はずっと見入っていた。
http://hitei-koutei.com/

　真実とは何か？
　ユダヤ人歴史学者と否定論者、
　かつてない対決の行方は

「なぜ真実を見つめないの？」と訴える女性歴史学者がいたく知的な容貌で、もし日本でこのような映画を撮るとしたら女優さんは誰？　なんて考えたりしていた。まあ日本でこんな映画は制作しないだろうけど。