たまには俳句を（４５）

血と肉と熱の塊揚雲雀　　　小野 豊（ＮＨＫ俳句２０１５［以下同じ］．３．８）

石舞台盗まれもせず春嵐　　　米谷 茂（読売俳壇３．１６）

山桜われ五歳より百姓す　　　榎本四郎（日経俳壇４．１２）

ブラジルの秋考へる朝寝かな　　　目黒 航（ＮＨＫ４．１２）

樹の形真似る少年春きざす　　　渋沢 智（読売４．２０）

春風やははははははと笑いヨガ　　　伊賀上公子（ＮＨＫ４．２６）

残花美（は）し人を焼ききる一時間　　　片岡宏文（東京俳壇５．１０）

鹿の尾の記憶鹿尾菜にありぬべし　　　桃心地（日経５．１７）※鹿尾菜＝ひじき

修司忌や古書肆に父の本を捨つ　　　吉竹 純（読売５．２５）

父の日の原発父をさびしうす　　　海野道子（日経７．５）

ガラケーかスマホか悩む生身魂　　　石井純子（読売７．６）※生身魂＝いきみたま

戦争を平和と言ひて梅雨に入る　　　山野上雨彦（日経７．１９）

この種に朝顔になる決意あり　　　籠島 環（ＮＨＫ８．２）

本当のわたしにビール飲ませけり　　　久保 栞（読売８．１０）

暑き日の永代橋を往きて還る　　　藤原龍一郎（東京８．１６）

朝顔に私に宇宙みんな渦　　　すなせあみ（読売９．７）

南浦和電車区詰所蔦紅葉　　　高橋まさお（読売１０．１２）

潜く鳥濡らさじと水澄みゐたり　　　加藤 賢（読売１１．１６）※潜く＝かずく

息白し釦を拒む釦穴　　　石松禎佑（ＮＨＫ１２．１３）


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