mixiユーザー(id:2615005)

2014年08月01日19:29

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コニー・ウィリス二冊目

ベスト選集の二冊目です。

・混沌ホテル
ユーモア編を集めた本。
表題作と『魂はみずからの社会を選ぶ』は、正直言ってわけがわからん。

『インサイダー疑惑』本作のおかげで評価がぐっと上がった。あるチャネラーに憑依したのは、歴史に名を残す懐疑主義者ヘンリー・ルイス・メンケンだった。
「霊もチャネリングもインチキだ、もっと論理的になれ」と吠えまくっていた人が霊になって戻ってきた。なんたる皮肉か。本人を認めてしまったら、霊界(インチキの飯の種)を認めることになってしまう。霊魂業界の内幕が容赦なく描かれていて痛快だ。主人公コンビの奮戦ぶりも楽しい。

『女王様でも』月経を消す内服薬が発明された世界の話。四世代にわたる一族の女子会で生理について話し合う。笑えるけど、これはSFの面白さではない。普通の日常ユーモア小説だ。
『まれびとこぞりて』地球に現れた六人の異星人は、何事にも無関心だが、聖歌隊のクリスマスソングだけに反応する。キリスト教の聖歌が山ほど登場するが、知識と興味がないので、ピンとこない。こういう英語圏のキリスト教徒読者を想定した話というのは、普遍性に欠ける。異星人は何を望んでいるのか?という謎の解読がお粗末すぎる。さりげない日常から想像力を羽ばたかせるのがSFだ。本作は逆で、SF的設定を使っているが、O・ヘンリーぽい日常小説に落とし込む。

上記二作を読んで確信した。この人はSF作家ではない。根底にある発想が、SFらしくない。普通小説は全部ダメなどと言う気はないが、この作者は好みに合わない。たぶんこれで打ち止めにします。★★★
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