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2014年07月15日20:49

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たまには自炊。小川一水の「ボーイ・ミーツ・ガール」

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面倒なので外食ですませることが多いけど、野菜を大量に摂取したいときなどは自炊します。数少ないレパートリーのひとつビーフシチュー。当地のシチュー用すね肉はメチャクチャに固く、煮込んでも歯が立たない。で、ステーキ肉・プライムキューブ・脂の多いバラ肉など計800グラムを混合して用いる。誕生日にもらったチリ産赤ワインがあったので、水と共に入れて煮込んだ。煮立たせるとアルコール分が飛んでいい感じにコクが残る。今日と明日は昼夜とおして食べ続けます。

機内で読んだ本その2。
・青い星まで飛んでいけ 作:小川一水
「ボーイ・ミーツ・ガール」がテーマの短編集である。もちろん普通の恋愛小説のわけがない。あらゆるタイプの愛を描いたSFならではのショートストーリー集だ。

『都市彗星のサエ』ここでないどこかへ行きたい。何億人の若者がそう呟いたことか。採掘用彗星と火星航路という宇宙的なガジェットを用いて、古めかしい恋の逃避行を甦らせた佳作。
『グラスハートが割れないように』奇妙な健康食品ブームを背景とした、社会派恋愛小説とでも言おうか。どれほど科学が発達しても「信じたいから信じる」人間の弱さは変わらない。日常からの飛躍は少ないが、立派にSFである。

『占職術師の希望』紺野は相手の天職がみえるという珍妙な超能力を持っている。紺野は6つの天職を持つ女・寛奈が気になって仕方がない。秀逸なアイデアを基盤に、サスペンスとアクションを盛り込んだ逸品。本書の白眉である。
そのほか、触覚だけに頼る節足動物型異星人との交流を描く『静寂に満ちていく潮』、仮想世界で仮想人格の少女が健気にがんばる『守るべき肌』など佳作揃いだ。表題作は意思を持つ無人宇宙船の冒険譚だ。大森望のアンソロジーで読んでいた。本来ならこれがお気に入りになっただろう。ちょっとくやしい。★★★★
2 10

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