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日記一覧

日本人形の憂鬱 15
2020年07月30日15:12

わたしは病室から見える流れる季節の移ろいを感じていた。「今日も来たよ」病室の扉が静かに開く。友達の真由美だ。わたしは『祈りの石』と等価交換で真由美から死神の手から守ったのである。魔女との契約を打ち切ったので『祈りの石』は無くなり、肺の病気で

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日本人形の憂鬱 14
2020年07月29日14:43

夜中に起きると、わたしはコップ一杯の水を飲んで再びベッドに入る。それは朝方の夢だと感じる感覚であった。大きな広間に棺が置かれていた。近づくと真由美が白い花に囲まれて入っている。「わたしの初めての獲物よ」美亜が後ろに立っていた。死神を自称して

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日本人形の憂鬱 13
2020年07月27日15:05

わたしは独りで日曜日、ファミレスでパフェを食べた後のことである。真由美から着信がある。フロワーで話すのもなんだ。会計を済ませてファミレスの玄関で喋り出す。『あ、今からそっちに向かうよ』相変わらずの会話である。わたしも諦めてファミレスのカウン

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日本人形の憂鬱 12
2020年07月26日08:06

わたしが、朝、保険室に登校すると。真由美が水着姿でいる。寂しい胸元を白いビキニが包んでいた。それでもそれなりの色気はあった。「今日はリアルクラッシャーの水着イベントだよ」なるほど、サブカルチャーに有りがちな水着イベントか。真由美が何故、水着

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日本人形の憂鬱 11
2020年07月25日07:59

わたしは市内のバスに乗っていた。湖のある公園に向かっていた。リアルクラッシャー以外の唯一の趣味であるスケッチをする為である。最近のソシャゲーはタイムポイントがある事が多い。タイムポイントが切れるとメインの遊びが出来ない。今日は朝からリアルク

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日本人形の憂鬱 10.2
2020年07月25日07:12

何度か検査入院して本格的に長期入院になった頃の話である。友達もいない一人きりの生活であった。憧れの一つ上の少年の事を思い出すのであった。もう、現実世界に居ないのである。恋多きとは言えないほど人生に疲れていた。わたしの気持ちは……。窓から心地

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日本人形の憂鬱 10
2020年07月24日09:03

それはまだ肺の病気で入院してた頃のお話である。窓から心地よい風が舞い込み、カーテンを揺らしていた。「検温ですよ」若い男性の看護師さんが体温計を持って部屋に入ってくる。それは初恋であった。「今日も少し体温が高めだけど大丈夫でしょう」男性看護師

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日本人形の憂鬱 9
2020年07月23日16:23

今日も保健室中のベッドに座りリアルクラッシャーを遊んでいると。白い顔をした美亜が入ってくる。黒いオーラが立ち込めていて不気味であった。わたしの隣に座ると美亜の口元が近づいてくる。そっと、抑えられて重なる唇は甘い匂いがした。わたしが振りほどく

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日本人形の憂鬱 8
2020年07月23日07:59

わたしは独りでベッドに横になり、天井を見上げていた。「眠れないの?」いつの間にか椅子に座ったアイがこちらをみている。わたしはアイの問いに沈黙で答えた。「静かな夜ね、わたしが死神だったら、連れて行ってしまいそう」わたしは呼吸が苦しくなる。これ

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日本人形の憂鬱 7
2020年07月22日15:56

学校の保健室でリアルクラッシャーのログインイベントを真由美と一緒にする事にしてから朝に余裕が出てきた。わたしはリアルクラッシャーが朝の七時に更新されるので、その時間に合わせた生活であった。時間に追われていた時はスマホを川に投げ捨てしまいたい

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日本人形の憂鬱 6
2020年07月21日15:00

わたしはリアルクラッシャーの最後の試練である。『レットブックのダンジョン』の出し方を聞こうと真由美をわたしの部屋に呼んでいた。わたしの画面を見て。「全然、弱いじゃん。これで『レットブックのダンジョン』に行ったら全滅だよ」廃ソシャゲーらしくこ

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日本人形の憂鬱 5
2020年07月19日07:14

土曜日に疲れから、わたしが寝ようとしていると。スマホが鳴りだす。わたしにかけてくるのは真由美だけだ。『明日、ファミレスで会食だからよろしく』って……二人なのに会食なのかと思っていると。『特製グラタンを二人で食べるから。会食ね』思っていた事が

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日本人形の憂鬱 4
2020年07月18日12:44

幼い頃の思い出である。わたしは大きな病院に検査入院をしていた。隣の部屋の男の子はわたしより一つ年上であった。一週間ほどの検査入院でも仲良くなり、恋心が芽生えていた。検査入院から一週間後に再び病院に行くと彼に会いに行った。彼の部屋に入るとがら

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日本人形の憂鬱 3
2020年07月18日07:10

朝の事である。わたしは『南風女子学園』の中等部に登校する。と言っても保健室登校である。保健室の扉を開けると真由美が待っていた。「リアルクラッシャーのログインイベントしよう」わたし達はスマホを近づけて遊ぶ。保険の先生が戻ってくると、真由美は『

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日本人形の憂鬱 2
2020年07月17日14:57

わたしが真由美に会った、その日の夜の事である。自室で椅子に座りリアルクラッシャーをプレイしている時である。ふと、気づくと、小さな少女がわたしのベッドの上に座っている。魔女のアイである。わたしは幼い頃に肺の病気を抱えていた。ある夜に病室から外

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日本人形の憂鬱 1
2020年07月16日15:26

わたしの名前は『長野 みつな』で、女子校の中等部に通っている。ソシャゲーのリアルクラッシャーにはまり、体調を崩して保健室登校になってしまった。それでも、学校に通っているのは、この女子校ですれ違い通信でわたしよりレベルの高いプレイヤーがいたか

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桜坂の道 6 最終回
2020年07月15日14:44

春、わたしは大学に通い始めた。桜坂の道を歩く。高校時代にわたしに嫌がらせをしていた、三人は自主退学をした。陸華と受験の冬は終わり。猛勉強の末に同じ大学に通う事になった。桜並木の向こうで陸華が待っている。新生活はこの街で始まるのである。この坂

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桜坂の道 5
2020年07月14日14:59

陸華とのデートの帰り道を歩いていた。わたしは個室のトイレ恐怖症である。一度、学校の個室に入っていた時に上から水をかけられた。ずぶ濡れになり、それからは多目的トイレにしか入っていない。Wバーガーで我慢できなくなり。陸華を置いて多目的トイレを探

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桜坂の道 4
2020年07月12日08:16

ショーホームルームで『コンレイ』と宣伝してから。わたしは今野麗子から『コンレイ』になっていた。「『コンレイ』さん、わたしのお気に入りのシンガーソングライターのYouTube見る?」「うん、見る」クラスの女子が近づいてきて話しかけられる。おや、普通

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桜坂の道 3
2020年07月11日07:03

朝、わたしは登校すると、机に北斗七星が描かれていた。斬新な嫌がらせだな……と、関心するのであった。しかし、目立つので、当たり前だが消す事にした。消しゴムを取り出して、必死になって消していると。陸華が寄ってくる。「コンレイ、何しているの?」「

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桜坂の道 2
2020年07月09日14:36

わたしは学校から自宅に帰ると自室に入り、学校の机の中にあった封筒を取り出す。大きな文字で『今野さんへ』と書かれていた。ラブレターか思いきや、わたしは封筒を蛍光灯に透かしてみる。すると、カッターの刃のような物が見える。わたしはため息をつくと封

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桜坂の道 1
2020年07月08日13:20

わたしはクラスで孤立していた。中学の頃はそれなりの成績で孤独を好む性格でも楽しかった。いわゆる、高校デビューで失敗してダラダラと一年が過ぎていた。二年生になるとわたしは何も求めないでいた。この竹ヶ丘高校でわたしは独りでいる。名前は『今野 麗

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わたしは朝、早めに学校に着く。中等部の校舎にある保健室に寄る為だ。そこで、他薦の友達である『長野 みつな』に会うのだ。みつなは私立のお嬢さま女子校なのに保健室登校である。わたしは簡単なペナルティーにより、この呪いの日本人形のようなみつなの面

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雪の聖女 15
2020年07月04日07:59

氷の神殿の中を更に進むと祭壇がある。「遅かったな……」姫様は祭壇に乗せられていた。身長の高い男性が氷の天界の姫様の隣にいる。「姫様、氷の天界に帰りましょう」マヤが声を放つ。「無駄だ、この姫様は完全に我が手中にある」姫様が起き上がり手をかざす

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雪の聖女 14
2020年07月03日14:47

氷の神殿に入るとマヤとサナの姿が消えていた。「これは『雪の聖女』の試練です。三人の聖女が地界、空界、地上界の三つの世界の試練をクリアしないといけません」俺が辺りを見回すと平坦なフロワーが広がっていた。ここは地上界らしい。「義元、あなたも冬目

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雪の聖女 13
2020年07月02日14:41

ある朝の事である。『雪の聖女』三姉妹が真剣な表情で御神木に向かう。大きな雪の結晶が地上に落ちると『姫様の居場所が分かりました。北の国にある。凍結湖です』「氷の天界からのメッセージの様ね」マヤが呟くと三人は旅支度を始める。「義元も付いて来い」

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雪の聖女 12
2020年07月01日14:24

週末、親父が大きな荷物を持って帰ってきた。皆を集めると……。「今日は焼肉パーティーを開くぞ」リアに黒猫のマヤ、幼女のサナが歓声を上げる。キッチンのテーブルにホットプレートが置かれて焼肉パーティーの始まりである。「先ずは、豚バラ肉とタマネギだ

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