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日記一覧

生まれちゃった子の片づけ方子どもを貧困から救うためとして、議会に対してある解決策が提案されたことがある。貧乏人の子どもを肥え太らせて、金持ちの食卓に供すればよい。子も腹を減らさず、親も子を産んだ功績が感謝され、金持ちもまた満足する。まさに「

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思うように書く暇がなくて、読書日記も遅れがち。まあ、本の紹介というより自分の覚書みたいになってるから、遅筆を苦にするひともそうはおるまい。ただ、書かないおかげで、だいぶん頭が老化してきてるようなのが気になる。もう一つ気になるのは、読書日記が

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「知は力なり」の帰結
2021年12月15日11:16

世間一般の基準から見れば、自分は人生の敗残者である。文字どおり擦り切れた着物を着て、いつでもちょっとカロリー不足の生活にまで落ちぶれてる。だから意地悪な人からは蔑まれ、親切な人からは同情されるべき立場だ。だが、どういうわけか逆に警戒され、敬

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先日、風呂場で背中をごしごしこすってたら、長いこと使っていた垢すりタオルがびりびりと裂けて二つになった。合成繊維の目の粗いのを手ぬぐい状にしたもので、そう簡単に破れるとは思っていなかったが、やはり時とともに劣化するらしい。で、買い換えようと

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『それから』の主人公代助は、学校は出たものの、食うために働く世間を見下してのらくら生きている。資産家の親の金(恐らくあまりきれいではないだろう金)で文化の精華を享受しながら、それを恥ずかしいとも思わない。むしろ誇りにしている。そのエゴイスト

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名訳? 珍訳?実話がどうか怪しいらしいが、漱石は I love you を「今夜は月がきれいですね」と訳したという。ネットで調べただけだが、英語の授業で学生に訳させたところ「我君を愛す」といったような直訳調の答えが返ってきたので、そんなことを日本人は口

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愛と不平等
2021年11月15日10:29

「私のこと愛してる?」に「愛してるよ」と即答できなかった男が後知恵で言い訳を考えてたら、なんか変なものが出てきた。*****「愛してる」と言えない男ある種の外国文化のなかで育った女とつき合ったりすると、「私のこと愛してる?」と事あるごとに尋

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ひとりの自分の中にたくさんの自分が住んでいる。同一なのは体だけで心はころころと変転する。漱石はこれに気づいた。そこから弱い者たちのための倫理的帰結を引き出したらしい。*****『猫』を読んだらなんだか止まらなくなって、実家にあった岩波の漱石

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頑張りすぎて倒れる人びと最近よく耳にするのは「頑張らなくてもいいんだよ」という言葉。実際にひとからそう言われることが増えたということではない。もっとみんなそう言い合おうという呼びかけであるから、社会にはまだこの「頑張らなくてもいい」が不足気

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ネオリベ政策で損をしそうな弱者がなぜネオリベ勢力を支持するのか。なぜ弱者の味方の「リベラル」をこれほど憎むのか。*****新自由主義(ネオリベラリズム)という思想がしばらく前からある。新しい自由主義だからリベラル思想のアップデート版だと思い

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吾輩の散歩道にアジサイがたくさん植えられた丘がある。先日、散歩しながらひょいと脇を見ると、ピンク色のアジサイの花が一朶(と呼ぶのだろうか)だけきれいに咲いておる。はて、十月にもアジサイが咲くのかしらん、と怪訝に思って帰って調べてみたら、9月

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日本の教養階級の社会的位置づけの変遷を漱石の『猫』から読み解いてみた。いつぞやも書いたが、自分が物を書きはじめたのは小学校四年生のときで、漱石の『吾輩は猫である』の真似をしたのが最初である。実は内容はほとんど理解できなかったのだが、猫の主観

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丸山真男のいうところのササラ型ではなくタコツボ型の日本の学問では、どうも歴史と哲学・文学がつながってない。人文的教養が統一性を欠いているのもそれが一因じゃないかと思う。*****前回からの続きです。前回記事のリンクは文末に貼っておきます。時

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哲学や文学とならんで今日では歴史が必須の教養となってる。歴史嫌いには迷惑な話であるが、実は歴史は教養としては新参者である。自由七科には含まれてない。だから歴史嫌いは問うてもよい。なぜ歴史は必須教養となったか。本当にそうなのか。人文的教養とい

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自分を決して愛してはくれない人びとに対する愛、自分にはけっして向けられない愛の意味を理解しようという愛。そんなものが保守主義と関係してる。*****柳田国男が主催するイブセン会という文人の集りで、イプセンの『野鴨』を論じたことがあった。19

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「聞く」という日本語にはさまざまな意味がある。「聴く」「訊く」などと書き分けるが、耳で聴けばみんな「キク」である。その内容を考察してみると、どうも今日「対話」と呼ばれるようなものと関係がある。どうも日本人がもとから対話下手であったわけではな

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ギターの神様(再掲)
2021年09月18日19:39

9月18日はジミヘン様の命日であるらしい。書きかけの文章は多いが、どれももっと調べないとならんことが少しずつが残っていて、すぐにアップできるものが手元にない。それで、数年前に書いたジミヘンに関する文章を引っぱり出してみることにした。こんな妙

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先日、吉本隆明の『南島論』を読んでいたら、日本人の色彩感覚について触れられていた。自分もこれがずっと気になっていたので期待したのだが、吉本も調べ切れてないらしい。誰か調べた人がいたらぜひご教示願いたいということで、青臭い文章で恐縮だが自分の

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趣味というほどのものがない自分の趣味は、遠くの国が舞台の小説をたまに読むこと。なんとなれば、日本には新刊本が毎年あふれてるけど、欧米以外の国の人びとについて書かれた本の割合は微々たるもの。アジアでさえ多いと言えないが、中南米とかアフリカにな

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「東大生の○○」とか「東大式」なんていうものが流行るのは今に始まったことじゃないだろうけど、かつては「東大生の必読の書」なんてものがあった。いやしくも東大生であれば誰でも読んでる、もしくは読むべきであるという書物である。興味深いことに、マル

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「老害」の正体
2021年08月10日21:21

近頃、自分が煙草を吸いにゆく散歩道に、小さな犬の糞がころころと落ちている。毎日のように落ちている。怪しからん奴がいるなあ、見つけたらとっちめてやろうと思って気を付けていたんだが、そうするまでもなかった。犯人は逃げも隠れもするつもりがなかった

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知識人と民主主義との間には緊張関係がある。今日ではこれを口にするのが醜聞となったが、この問題を避けているかぎりデモクラシーは群衆支配と区別できなくなる。読書日記について自分は、「読書メーター」というところで読んだ本の感想を書きつけている。最

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最初に注意書きであるが、自粛など無視して酒を飲みにいこうという趣旨の話ではない。この機会に人と酒の関係について考えてみようという話である。言うまでもないが、一人一人が責任ある行動をとるであろうと自分は期待している。さて、ここ一週間くらい、感

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時間のない館
2021年07月11日12:01

ショートショート(?)。今朝の夢の中(?)で創作した。ちょっと想像してみてくれたまえ、君。この世界のどこかにだね、どこでもいい、どこか山奥か、遠い海の離れ小島にでも、時間のない空間があるかもしれない。ぼくが言っているのは、天上界とか彼岸のこ

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19世紀の観念論哲学、芸術論における天才と市民との関係、そして独裁体制との奇妙な関係。前回紹介したトーマス・マンの『ブッデンブローク家の人びと』と同時に読んでいたのが、リヒャルト・ワーグナーの伝記。奇しくも、どちらも同時代の話であった。『ブ

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滅びゆく国でトーマス・マンの『ブッデンブローク家の人びと』を読む。読書日記:トーマス・マン『ブッデンブローク家の人びと』 /てれまこしhttps://note.com/telemachus/n/nba1ca56a1ad6

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書くことが少なくなると、なんだか老いてくのが早くなったような気がする。時間の流れに抗することができなくなってるように感じられる。自分は毎日なにか書くことを日課としてきたのだが、最近生活のペースが変わった。何かとつまらんことで忙しくなって、書

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『天空の城ラピュタ』には、ラピュタびとという伝説的な人々が出てくる。科学の力によって空に巨大な要塞を浮かべ、強大な軍事力を背景に恐怖の帝国を作りあげ、地上世界を支配した。そんな人々が、どういうわけか科学を封印し、その結晶たる城を棄て、地上の

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悪い大人が多い世の中だから、若い人は警戒が必要なんだが、若い人の成長を慰めとするような年寄りもまたいる。成長する者とそれを見守る者、そしてちょっかいを出したがる者がいる。自分で考える。だけども他人の中で考える。 /てれまこしhttps://note.com/

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何年か前にたいそう売れた『君の名は』というアニメ映画があった。映画館だったかネットだったか覚えてないが、自分も娘といっしょに見て心を動かされた記憶がある。君の名はストーリーを知らない人は多くないだろうけど、念のため要約しておく。何かの拍子に

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