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2016年12月03日07:40

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［付記あり］田村よしてる歌集『いとしきもの』

昨年末に急逝された田村よしてるさん（「短歌人」同人）の歌集（２０１６年１２月２８日、六花書林刊［非売品、限定２００部］）が野村裕心さんから送られてきた。

野村さんは、「野村田村」と漫才コンビのように僕らは呼んでいたが、田村さんと良きコンビだった方だ。今回、亡き友の歌集制作に尽力された。選歌は小池光さん、原稿作成や校正の際には佐々木通代さん、花鳥佰さん、関谷啓子さんが協力されたとのことである。皆さまの労に感謝しつつ読み始めたところだ。

扉に田村さんのすてきな笑顔の写真。葬儀の時の遺影もこの写真だっただろうか。いい写真だ。

小池さんの序、巻末の松丸武史さん（歌を詠まれる方ではないが、田村さん、野村さん、小池さんの職場［埼玉県のある私立高校］の良き仲間としてお名前をうかがったことがあった）、佐々木さん、野村さんの文章を読んでホロリとしてしまい、本篇の田村さんの歌を読み始めた。「短歌人」に入会された最初の頃（２００１年）から、文語定型の整った歌を詠まれていたんだなあ…、と新鮮な驚きがあった。

小池さんの序で引かれていた《知らぬ間にからころぽろり赤玉が出でてしまひしわれかと思ふ》という田村さんの歌、「短歌人」初出時（２０１４年１２月号）に、なんて可笑しい歌なんだろうと思って、この日記に引いたことがあった。小池さんは「この赤玉とは何かということはここで注釈するのは気が引けるから、各自調べられたい」と書かれているが、恥知らずなわたくしは堂々と注釈してしまった。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1936735085&owner_id=20556102

田村さんがなくなったのは昨年の１２月２８日（この歌集の奥付に記された刊行日）。もうすぐ一周忌になる。かの世の田村さんはこの歌集を見て、恥ずかしいからやめてくれよお、とか照れながら、しかし大いに喜んでいることだろう。

［付記］
この田村よしてるさんの歌集について、秋田興一郎さんのブログで２回にわたり詳しく紹介されていましたので、あわせてご参照ください。
その２の方には、歌集の扉に掲載された田村さんの写真が引かれています。
その１　http://d.hatena.ne.jp/amanokakeru/20161205
その２　http://d.hatena.ne.jp/amanokakeru/20161206

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