対位法的に進行していく《さすらい人幻想曲》第4楽章は、この日の演奏の白眉。火の玉となって邁進するがごとく、レオンスカヤの凄まじい気迫が込められた強烈な音が会場を震わせる。この《さすらい人幻想曲》こそ、全曲ツィクルスの頂点だと確信させるものが
カンブルランは、《春の祭典》をショーピース的スペクタクル音楽としてではなく、リズム、音色、響きを極限まで研ぎ澄まし、強靭な構造を持つ揺るぎない音楽として再構成したかったのではないだろうか。最後の一撃は、かつて体験したことのない総毛立つような
オッコ・カムは果たしてシベリウスの交響曲第2番を何度指揮しているのだろう。特にシベリウス生誕150年の2015年はこの曲を指揮して世界中を回ったのではないだろうか。完全に手の内に入っていることをうかがわせ、新日本フィルから確信に満ちた音楽を引き出し