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2024年04月16日04:38

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戦争の悲惨な映像なんか見たくなかったけれど、やはり目をつむるのは“いけないこと”だと感じました。NHKBS世界のドキュメンタリー「実録 マリウポリの20日間」前後編を見て。

2024年1月5日の初回放送を見逃していたので、今回の再放送版を見ました。imdbによると上映時間は95分とあります(オールシネマ・オンラインでは97分)。僕が見たNHKでの再放送版は、前編ラストの“次回予告”と後編トップの“前回のあらまし”を除くと92分半程度でした。つまりエンドクレジット以外にはほとんどカットしていないと考えられます。

もちろんテレビ放送ですから、映像にボカシが入ります。しかしそれを越えて、アクチュアルな実写映像が痛烈でした。ナレーションが日本語に吹き替えられていても、戦場の緊迫した状況は伝わります。そういう意味でこのドキュメンタリーは、同じ時代を生きている我々全員が直視するべきだと思う。

もちろん、直視しないと実態がわからないという自分の不明を恥じないといけませんが、そんな恥よりも何よりも、戦場の現実を感じ取ることのほうが大事なのだと僕は感じました。産院がミサイル攻撃を受け、臨月の妊婦が産科のない病院へ移送されて出産しなければならないという悲劇を、やはり直視する必要がある。

それをロシア側は“フェイク・ニュースだ”と切り捨てます。しかし僕は知っています。21世紀の政治家たちが言う“フェイク・ニュース”だという“反論”は、トランプ大統領の発言同様の“デタラメ”なのだと。そんな“嘘つき弁護士ロイ・コーンもどきの主張”に、我々はいまさら騙されはしないのです。

ロシアの侵攻から20日間に及ぶマリウポリ取材をしたAP通信社(ニューヨークに本部を置くアメリカの非営利通信社でThe Associated Pressと表記)の記者たちは、20日間の取材後現地を脱出します。そのとき彼らは“自分が現地で何をしたか、子供たちに誇れるだろうか”と脱出行動の是非を自問するのでした。

その自問が僕には痛烈でした。戦場からの報道につきもののジレンマだとはいえ、そのジレンマはあまりにも痛烈です。そして“Z”と大書きした戦車が病院前に現れ、戦車砲を病院に向けるシーンは、特に忘れられません。そんな命からがらの映像が連続するドキュメンタリーなのでした。ボディ・カメラの揺れは、小細工などではありません。

日本での劇場公開は今月の26日からだそうです。ぜひとも“現実の映像”が持つ訴求力を、劇場で体感してみて下さい。あるいは、NHKの再々放送を録画するのもいいでしょう。それらスタート方法は色々あります。そして何かを感じてそれを発言したところで、それらが“無力”に終わる可能性は大なのですが、無駄でも何かするしかないと思います。

町外れに掘られた溝に、次々と“埋葬”される犠牲者たちのボディバッグ姿を、このまま忘れ去ってはいけないのだつくづく思います。一刻も早く出産して胎児を助けるために“私を殺して”と叫んだ妊婦の叫びを、なんとかして受け止めないといけない。取材者たちを命がけで助けたウクライナ兵士たちの気持ちを、なんとか伝えなくてはと僕は思います。
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