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2024年03月26日11:02

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3/24 大倉集古館の春〜新春を寿ぎ、春を待つ〜@大倉集古館

泉屋博古館東京で木島櫻谷展を見た後(こちら)、夫が横山大観《夜桜》を見たいというので大倉集古館へ。正直私は横山大観が好きでないのと《夜桜》は何度か見たことがあるのでわざわざだったら行かないが、出たついでである、近いのが何より。しかもこの日が最終日。

ホテルオークラの柳の大木が芽吹いていて美しい。先ほど見たばかりの木島櫻谷《柳桜図》を思い出すが、今年の桜はまだ開花せず。
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いつも通り観覧者は少なめ。写真撮影不可。
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https://www.shukokan.org/Portals/0/images/exhibition/history/2023/20240123spring_press.pdf
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令和6年の春を祝し、干支や吉祥、花鳥風月をテーマとした絵画を中心に展観します。
新春の造形として、まずは末広がりの扇の作品から。不思議な縁によって大倉集古館へ収蔵された宗達派による《扇面流図屏風》を始め、日本や中国で作られた扇絵のコレクションを展示します。また、本年の干支である辰に因んだ伝説の生き物・龍をテーマにした作品も。大倉集古館だからこそ見られる中国伝統の衣装や珍しい古代の硯なども紹介します。
そして、新春から春にかけての美しい景物を描いた作品では、名品として名高い横山大観筆《夜桜》を展示します。他にも墨の諧調で春を知らせる水墨画や、彩りで春を魅せる着色の作品を取り上げ、新春を寿ぎ、来る春を待つ時期にふさわしい大倉集古館所蔵品をお楽しみください。



第1章 寿ぎの造形〜扇

宗達派《扇面流図屏風》
以前見て大変インパクトのあった六曲一双の屏風。また観覧できて嬉しい。
右隻から左隻へと視線を動かすと川の流れや扇がぶつかり合う音が聞こえてきそう。
はじめの方は、まだ扇も間隔を開けてゆったりと流れているが、左隻に目を転じると、流れも早くなったようすで波も激しくなり、扇同士がぶつかり合っている。閉じて沈んでしまいそうな扇もあれば、破れてしまった扇(左隻八扇上方)もある。波や流れの描き方にも工夫が。
こんな高価な扇を流してしまうなんて勿体無いが、なんとも美しい光景だ。
所々にある正方形の色紙には源氏絵、これは後世貼り足したものらしい。
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これにはエピソードがあり、福地源一郎書・荒木探令筆《古屏風奇遇乃記》という、下方に扇の絵が描いてある優美な掛け軸に記されている。それによると、当時この屏風には1隻ずつ別の所有者がいた。洋式家具を日本に広めた杉田幸五郎が、大倉喜八郎がその片割れを持っていたことを知り「古物の離散はもっとも風流の恨事」といって、杉田所有の1対を大倉に譲った、とのこと。絵巻物を断簡にして所有する者いれば、こうした尊い行いもあるのね。


第2章 辰年の造形〜龍

曽我二直庵《蜆子和尚・龍虎図》
蜆子和尚は唐末の禅僧で、居所を定めず、河辺で蝦や蜆をとって食べ、夜は神祠で寝たという。どうやらこの図は、小海老を摘んでいるところらしい。
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第3章 季節の造形〜雪・梅・桜の絵画

狩野常信《梅鶯図》
三幅対で、梅の木枝を隠す霞が通っている。右幅は上方から垂れる枝に鶯、左幅では下方から伸びる枝の先に鶯がとまる。風流。
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尾形光琳画、尾形乾山作《銹絵寿老人図六角皿》
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横山大観《夜桜》
大倉喜七郎が「日本美術を世界へ発信したい」という信念から実現したローマ日本美術展への出品作で、大観が「祖国の魂の宿れる作品を」との情熱で描いたという。かがり火に照らされた山桜と松とが幻想的でドラマチック。桜が散り始めているあたりが、日本人の美意識か。確かに外国ウケする絵だと思う。
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小林古径《木兎図》
金地と墨でぼかした背景に、可愛らしい紅梅の花と崇高さを讃えた木菟が浮かび上がる。私はこちらの方がずっと好き。
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佐々木尚文《雪の水車》画像なし
もと陶磁器絵付画工で、川合玉堂に師事。雪降る中船の水車を詩情豊かに描いている。川合玉堂《行く春》をリスペクトした作品だね。

そういえば、近代美術館も春まつりだ。桜の開花が待たれるなぁ。

泉ガーデンタワーエントランスフォト

3月24日終了


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