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2024年02月28日12:16

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歴史を支えた森林

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我が国の林業がさびれてから久しい。しかしかつて森林という存在は、主に建設という観点で日本という国を支えていた。特に豊臣政権から江戸時代にかけて、「尽山化」といい木材を伐採し過ぎた事で山野が禿山と化してしまう状況が発生してしまった。そのため森林保全という意味から植林が行われるようになった。

徳川政権期から始まった植林という事業は明治期以降も受け継がれ、政府直営の国有林が管理されるようにまでなる。その背景には、明治29(1896)年に榎本武揚が農商務大臣として提出した「森林法」の存在があった。幕末から維新にかけての政権移行期に近代的森林・林野の制度が整わなかった影響で森林が禿山化したという苦い経験が林業の整備が行われる要因となっていった。

このような歴史的背景を考えると、本来林業という産業を仇やおろそかにできないはずなのだが。戦後安い輸入材が氾濫したことで、植林された杉・檜などが伐採されなくなり特にスギ花粉の異常なほどの散布によって、花粉症が国民病になるほどの弊害を生んでいる。

『SDGs-危機の時代の羅針盤』にも触れられていたが、現状として林業を次世代の産業として継承していこうとする自治体も出ているらしい。私たちは祖先が遺してきた遺産を大切に運用していく時期に来ているのではないか。
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