名古屋市といえば、我が国のほぼど真ん中に位置する地方都市である。東京、大阪に次ぐ大都市でありながら、その魅力は?と問われるととっさには出てこないのが現状であったりする。本書は名古屋に転勤してきた、日本経済新聞社名古屋支社編集部の記者たちが、
高校時代、もっとやっておきたかった教科というのはあるだろうか。本書はそのコンセプトの元、高校国語を学び直すという主旨で書かれている。著者によると、国語は特に論理力・読解力を求められるため社会人としても必須の教科だということだ。章はそれぞれ学
『大菩薩峠』の主人公机龍之介は複雑な人物である。圧政に苦しむ庶民のために一肌脱ぐかと思えば、夜な夜な辻斬りをするために徘徊もする。果たしてこの盲目の剣術使いは、善人なのか悪人なのか。判断に苦しむことがある。しかしこの善なのか悪なのかはっきり
タイトルを見た時、明らかに著者のベストセラーとなった『バカの壁』の二番煎じと舐めていた。それでも養老孟司は好きな著述家なので、冷やかし半分に読んでみた。なかなか良かった。たとえば前半。ただ読書させるだけでは、少なくとも世間で言うところの賢い
中里介山といえば『大菩薩峠』、『大菩薩峠』といえば中里介山というくらい、この小説家と代表作であるこの超大河小説は切っても切れない関係にある。後に吉川英治が世に出た時、彼こそが我が国における大衆小説の元祖のように受け取られたが実際は違う。明治
宮本武蔵は江戸にいた。吉原の遊廓を創始した庄司甚右衛門と昵懇の仲になった武蔵は、いつものように揚屋で酒を酌み交わしていた。その席で同席していた吉野大夫から、打ち明け話をされる。ある若い旗本から身請けをしたいと持ち掛けられたのだという。しかし
徳川家康の強引な手法で、遂に東西は手切れとなる。いよいよ襲い掛かる幕府方に対して、大坂方は豊臣家恩顧の大名を中心に味方を要請するが大御所・家康怖さに皆黙殺してしまう。豊臣からの要請は、紀州九度山の真田幸村の元へも来る。たとえ大坂方に味方して
杉寅次郎。後に親戚の吉田家へ養子に入り、松陰吉田寅次郎と名乗るこの若者。幼い時は叔父の玉木文之進からスパルタ教育を受け、そのあまりの苛烈さから、「寅次郎や、いっそお死に」と現場を目撃した生母が祈ったほどだった。松陰自身も後年、「あんなひどい
日本が好きだが愛国心は持てない。そういう日本人が多いのではないかという指摘に、正直どきりとした。かつて外人タレントとしても活躍したケント・ギルバート氏が、保守の論客として日本人の在り方を問うた一書。愛国心を持てない人は、家族や先祖に誇りを持