『ウルトラマンパワード』(93) 全13話
ビデオで全部見ているが、コレクションしたくなったのでブルーレイで買い直した。
本家から27年目のリメイクで、この作品もすでに30年前だ。月日の流れるのは早い。平成三部作の始まる直前で、新作に飢えていたファンが大歓迎したーーかというと、そうでもなかった。当時ほとんど話題にならなかった。
懐かしの怪獣たちがリニューアルされた姿に期待したものの、最も大切な格闘シーンが骨抜きだったのだ。暴力規制のせいで、チョップやキックや投げ技で豪快に吹っ飛ばすシーンはほとんど見られない。お巡りさんが酔っぱらいを「まあまあ」となだめているような場面が続く。とてもアクションとは呼べない。レッドキングの夫婦愛やザンボラーにお願いして帰っていただくなんて、悪い冗談としか思えない。
怪獣の造型はかなり良く出来ているので、そこに注目すべきだろう。特に宇宙服が人体に融合したジャミラのデザインがいい。テレスドンを操る地底人もファンタジーぽくて良かった。第一話と最終回をライバルのバルタン星人が務める構成も悪くない。
アイデアが唯一本家を上回っているのは、第8話「侵略回路」だ。ダダをコンピューター生物としたのは、いかにも90年代らしい。
高評価はできないが、それなりに意義のある作品ではある。★★★
ログインしてコメントを確認・投稿する