椿椿山(1810-1854)
いつでも行けると思っていたらもう閉幕間近。慌てて地の果て西高島平へ・・・
。
渡辺崋山を中心にした文人画展で見かける美しい花鳥画。控えめな色使いで品が良く繊細。著名な絵師、北斎や探幽、蕭白らのようなクセもなく淡白。17歳の時華山に弟子入り。当初は不器用と言われたがひたすら画業に励み頭角をあらわす。「飯少なく、遊少なく、眠少なく、言葉少なく、磨墨少なく、着筆少なく、彩色少なく、酒を飲まず、女に近付かず、煙草を喫せず、故に十少と称す」という穏やかな性格。
絵を描くために書かれた数多くのスケッチも展示されていた。弟子も多く通信教育までこなす。その丁寧な文面・・・筆の持ち方まで指南。
今回の収穫は人物画も面白いことがわかったこと。「佐藤一斎夫妻像」70歳から80歳へ、年月を経る夫妻。一斎はそんなに変わらないけど夫人の老け込み方が10年の月日の重さを感じさせる。
重文「渡辺崋山像」完成したのは13回忌。死の翌年から描き始めたが試行錯誤を繰り返す。師崋山への思いはいかほどだったのだろう。蛮社の獄で幕府に捕らえられた崋山を救済するために奔走したことを記した資料や、板橋区立郷土資料館収蔵の椿山の日記も展示されている。
せっかく来たので近くの赤塚植物園にも寄ってみる。牡丹が満開、藤棚も・・・花がいっぱい。
ログインしてコメントを確認・投稿する