ジョルジュ・デ・キリコ(1888〜1978)
10年前、2014年に汐留ミュージアムで「ジョルジュ・デ・キリコ 変遷と回帰」があった。あの時の印象では晩年は若い時代の模倣ばかりになった老画家という・・・なんか期待をはぐらかされたような気持ちになったっけ。今回は3階分のフロアーをキリコで埋め尽くす大規模なもの。そんなに作品があるのか?と思いつつ見に行く。
展示構成は
SECTION
1・自画像・肖像画
2・形而上絵画
3・1920年代の展開
4・伝統的な絵画への回帰 「秩序への回帰」から「ネオバロック」へ
5・新形而上絵画
TOPIC
1・挿絵 (神秘的な水浴)
2・彫刻
3・舞台美術
まず自画像からスタート。キリコがたくさん自画像を描いているとは知らなかった。しかもコスプレ。SECTION2の形而上絵画が一番キリコらしい。不思議で静かで・・・モチーフの組み合わせが謎で見ていて楽しい。顔のないマヌカン、柱廊、誰もいない塔・・・。どれも同じ筆のタッチかと思っていたら「南の歌」はルノワールのようなタッチ。
驚いたのはSECTION4で展示されていた作品。ルネッサンスやバロック・・・ティッツアーノやルーベンス風。でもどことなく不思議感があってデルボーに似ていたりする。
TOPIC2の彫刻は結構ツボ。こういうの大好きかも。
最初の心配は見事に吹っ飛んだ。やっぱり90歳まで長生きした作家の展示会は見応えがある。汐留とはまるで違う切り口。
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