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2023年01月25日11:01

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タイトル未定、メモ 2

「えーわたしの名前は『秋葉』です。この神社で守り神……ではなくてお掃除の仕事をしています」
「秘密のお仕事なのか?」
「はいです」
うむ、実に素直な女性だ、イヤ、他の代名詞があるのか。
本体は幼女かもしれない。それとも狐か?
わたしが秋葉を観察してその存在を考えていると。
「ダメなのです。わたしはお掃除の秋葉さんなのです」
「おっと、これは失礼、わたしも子供の頃は『あやかし』が見えてね。懐かしかっただけだ」
「そうなんですか、わたしも他のあやかしが見たいです」
上機嫌でわたしに懐いてくる秋葉は可憐であった。
さて、隣の吉岡短大で講義の時間だ。
わたしは秋葉に挨拶をして神社をでる。
あやかしか……何年ぶりだろう。
「田中先生、大丈夫ですか?携帯も繋がらないし、心配しましたよ」
短大の事務室に着くと職員さんが心配していた。
どうやら、あやかしの空間にいたらしい。
「あぁ、大丈夫だ」
その後、わたしは授業で使うプリントを印刷室で刷っていると。
コンコン……。
狐の気配だ。
そうか、授業に招いたのだ。害もなかろう。
しかし、ずいぶんと積極的なあやかしだな。
授業が始まると……。
コンコン。
狐の気配だけするが姿は見えなかった。
少し寂しいが仕方がない。
授業が終わり、片付けていると。
幼女の秋葉が座っている。
「はわわわ、見えています?」
「あぁ」
わたしが肯定すると、秋葉は教室から逃げて行くのであった。

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