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2022年12月30日12:22

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キスの甘さは天国まで忘れない。最後はあなたの腕の中で 14

「まあ、お子様な反応ですね」
照れている、わたしにサリアは軽蔑の眼差しをしてくる。
サリアはサーレットさんの言葉など気にせずに宝石箱を取り出す。
「このルビーで飾られたオルゴールなどどうです?」
それは、色の濃いルビーで飾られた高そうなオルゴールであった。
「言ったはずだ、僕はアリータを愛している」
「わたしに恥をかけと申すのですか?」
「あぁ」
「よろしくてよ、わたしは何も無い存在、砂糖菓子と宝石だけが全てですからね。それでもわたしを拒絶するのですか?」
サーレットさんはうつむいて下を見る。
いけない、優しいサーレットさんが迷っている。
その時である、わたしは地面に倒れ気を失う。
それから、気がつくと自室のベッドの上で時間は夕刻であった。
サーレットさんがわたしのベッドの隣に椅子を置き座っている。
「サーレットさん?」
「気がついたか」
「サリアさんは?」
「帰った、いや、追い出したと言った方が正確だ」
よかった、サーレットさんはわたしを選んでくれた。
安心すると、また、睡魔を感じる。
「サーレットさん、もう少し、眠りたいの……」
「大丈夫です、このまま、ここに座っている」
ありがとう……。
その言葉と共にわたしは眠りに着く。

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