家の家業は鍛冶屋である。
当然、剣をうつ仕事もあるから。貴族との付き合いがある。
「お父様、飾る剣ですものもっと豪華に作ってもらえば?」
なにやら、かん高い声が聞こえる。
「そう言えば、この鍛冶屋に賢者さまが居候しているらしいわね」
わたしは恐る恐る、鍛冶屋の受付の方に向かう。
そこに居たのは恰幅のいい貴族さまと豪華な衣装を着た令嬢であった。
「ご主人、賢者さまを紹介してくれたなら、金貨3枚上乗せしますわ」
令嬢がつめより、父親は困惑している。
「お父様、他の鍛冶屋に頼んでもいいですわね?」
「わかった、紹介しよう」
えぇ?サーレットさんが物みたいに扱われている。
何、あの令嬢は。
数日後。
サーレットさんの仕事の休みの日に令嬢がやってくる。
「わたしの名前はマスカレッテ・サリア。サリアと呼んで下さい」
「サーレットだ、よろしくお願いします」
流石にサーレットさんの機嫌も悪い。
しかし、サーレットさんは大人の扱いを知っている。
国家公認賢者さまだ、このような扱いも慣れているのかもしれない。
その後、サーレットさんとサリアは中庭で世間話をしている。
しかし、サリアはサーレットさんの手を取って話している。
「サーレットさんにベタベタ触らないで!」
わたしはたまらず二人の前に出てしまう。
「へーそういうこと、面白いのがいるのね」
サリアはサーレットさんの頬に触れて顔を寄せてキスをしようとする。
「ダメ、ダメ!!!」
わたしの静止に流石にサリアはサーレットさんから手を放す。
「わたしは大切なモノを奪い取る。この快感は忘れられないですの。貴女のその目が絶望したなら、と、想像しただけで気持ちいいですわ」
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