朝早く、起きられたので、仕事に行くサーレットさんを見送る。
ふと思うとサーレットさんは旅の賢者さまだ。
旅費が溜まれば旅立ってしまうのかと不安になる。
「独りにしないで……」
わたしはサーレットさんを呼び止めて後ろから抱きつく。
わたしの不安にサーレットさんはわたしにキスをしてくれた。
「僕は君を独りにしない、僕は賢者である前にアリータの恋人だ」
その言葉に少し安心する。でも、賢者さまは万人のモノだ。
サーレットさんは旅をしてその力を高めるのだ。
「わたしサーレットさんの足手まといになりたくない」
不意にそう思うとサーレットさんから離れる。
長い沈黙の後でサーレットさんはわたしの間合いに入り。
また、キスをする。
体は正直にサーレットさんを求めていた。
それは大人のキスであった。
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