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2022年08月15日11:42

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8/14 特別デジタル展 故宮の世界 他@東京国立博物館

リアル脱出ゲーム「東京国立博物館からの脱出」なるものをやっているらしく、親子連れや若い人で妙にワサワサしている東博。お盆休みとあって多くの人が謎解きキットとスマホを手にしている。が、平成館はシーン。嬉しい。おにぎりを食べて、まずは日中国交正常化50周年記念「特別デジタル展 故宮の世界」へ。
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https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2537
中国の首都北京の中心に位置する故宮博物院は、かつては紫禁城と呼ばれ、約500年にわたり中国を統治した明・清両朝の歴代皇帝が国を治める拠点として造営された宮殿であり、現在は190万件の膨大なコレクションを所蔵する博物館です。
本展では、VR(バーチャル・リアリティ)によって再現された清時代の最盛期の紫禁城を体感し、高精細3D(3次元)データで眼前に現れた珠玉の工芸品を鑑賞し、超大画面シアターに投影された青緑山水の傑作「千里江山図巻」の画中に没入することを通じて、中国美術の奥深さを愉しんでいただきます。さらに、東京国立博物館が所蔵・管理するコレクションの中からセレクトした、歴代皇帝や清時代の文化財などを紹介します。これらの展示を通じて、在りし日の清王朝の宮廷のすがたに想いを馳せていただきたく願います。


展示室はいつもの企画展の半分。すぐ見終わるかと思ったら、1時間半もいた。博物館に来て「ホンモノ」を見ずにデジタル映像なんて…と馬鹿にしていたら大間違い。
思えば、故宮博物院は「建物を見るなら北京へ、文物を見るなら台北へ」と言われている。国共内戦の中、蒋介石率いる国民党がその一級文物を台湾に運んだためだ。
イントロダクション「天子の宮殿 紫禁城」と「バーチャル紫禁城 night & day」は美しかった。東洋館ミュージアムシアター「紫禁城・天子の宮殿」も後で見る。
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次の「デジタル多宝閣ー宮廷工芸コレクションー」
工芸品の一品60点を3DCGで紹介。中には、鼻煙壺など明らかに小さいものもあって、高精細画像で、アップで、360度から見られるのは嬉しいけれど、自分のペースで見られないのにはちょっとイラッとする。しかし、美しい。
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次は、北宋末期、王希孟が18歳で描いたと言う《千里江山図巻》を3面大画面シアターでみる。
全体実寸12メートルの青緑山水図。広がりの素晴らしい構成力と細部の細かさはさることながら、青と緑の色が幽玄の世界そのもので、ただただため息。3Dアニメーションでは、それを立体的に見せてくれ、まるで絵巻物のなかに紛れ込んだような感覚。細部もクローズアップしてくれ、これだけ大画面にしても鑑賞に耐えるってなんとすごいこと。
北京でも滅多に見ることができないお宝中のお宝らしい。
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興奮冷めやらぬうち、次は清朝乾隆5年に描かれた《慶豊図巻》
元宵節の北京を理想的に描いた風俗図で、6人の宮廷画家が乾隆帝の命により携わっている。小さなモニターでその細部をクローズアップしていたが、これが緻密ですごい。でもまあ、これもデジタル画像だし…と思っていたら、次の展示室にホンモノがずずずいいい〜と展示されているではないか。
日本に岩佐又兵衛《洛中洛外図屏風》あり、中国に《慶豊図巻》あり、と言ったところか。
ただ、こちらは《洛中洛外図屏風》のような、時空を越えるべくある「雲」はなく、絵巻物形式で、みっちりと街並みが展開している。さまざまな商店や露天、賑わう小料理屋、祭りの山車や龍舞、珍しさも手伝っていくら見ても飽きない。
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デジタルの《千里江山図巻》とこの《慶豊図巻》ふたつでなんとか入場料の価値ありかな?

あと20点は東博所蔵の清朝宮廷の書画・工芸。
アルバム、あります。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000120603909&owner_id=2083345

次に平成館企画展示室「チベット仏教の美術 皇帝も愛した神秘の美」を見ました。
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2534
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7世紀ごろ、ヒマラヤ山脈の北側に広がるチベットにインドから仏教が伝えられました。以来、インド仏教を忠実に継承しながらも独自の発展をみせ、洗練された仏教文化が栄えてきました。チベット仏教は高度な仏教思想や神秘的な儀礼で知られ、儀礼で用いる数多くの仏像や仏画、特色ある法具が伝わっています。モンゴルや中国など周辺地域でもチベット仏教が広く信仰され、清時代の歴代皇帝、とりわけその最盛期を築いた乾隆帝(在位1735〜95)が傾倒したことはよく知られています。北京やその周辺には、現地から多数の僧侶や職人が招かれ、本格的なチベット仏教寺院が建立されました。
日本との直接的な交流は近代までありませんが、日本人として初めてチベットを訪れた僧 河口慧海(1866〜1945)の旅行記を契機としてチベット仏教が注目されるようになります。東京国立博物館(以下、当館)でも、創立以降さまざまな機会にチベットに関連した資料を収集してきました。
この特集では、なかでも絵画・彫刻・工芸・書跡の各分野を代表する優品を、慧海のご遺族からの寄贈品の一部とともに紹介します。当館のチベット仏教関係資料をまとめてご紹介するのは、1999年の東洋館開館30周年記年特集「河口慧海将来品とラマ教美術」以来、約20年ぶりです。ぜひこの機会にチベット仏教の美術に親しんでいただければ幸いです。


いつも東洋館でガン見してしまう《チャクラサンヴァラ父母仏立像》
男性の仏がきさきとまじわることで多数の仏たちを生み出すという考え方、神々の天地創造と似ている。
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《ツォンカパ伝》
チベットの仏画の特徴は、画布が木綿であるということ、表面に布をかけるということ。チベット寺院では煙の出るバター灯明を使うので、絵を汚さないという配慮らしい。初めて知った。
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《無量寿仏坐像》
無量寿仏は阿弥陀如来。明の宮廷工房で作られたらしい。中国はチベット仏教を手厚く扱っていた証拠なのに、現在の中国政府ときたら…。
頭上の烏天狗みたいなのがユニーク
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《白色ターラー菩薩坐像》
額と、両手両足にも瞳がある。
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《六臂マハーカーラ立像》
日本では大黒様。本来は「大いなる暗黒」を表すシヴァ神の別名だそうで恐ろしげ。
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最後に、日本人として初めてチベットを訪れた河口慧海の将来品も展示。
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清朝廷とチベット教の親密な歴史を思い起こすと、現中国政府のチベット人迫害はあまりにも悲しいし、19世紀に日本人僧侶が訪れ親交を結んだことからしても、日本人はもっとチベット問題に関心を寄せるべきではないかな。

3時のミュージアム・シアターまでの時間、本館1階の「近代の美術」と2階の「令和3年度新収蔵品」を見る。

河鍋暁斎《豊干禅師》
でっかい!
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速水御舟《紙すき場(近村)》
まるで谷内六郎。いろいろチャレンジしたんだなぁ。
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狩野芳崖《山水》
「個人蔵」なのね?
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東海道五十三次絵巻 巻6》
横山大観、下村観山、今村紫紅、小杉未醒の合作。小杉のが一番いいな。
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松井康成《練上青磁大壺》
2色以上の陶土を捏ね合わせ、その断面模様を表現する練り上げ技法を用いる。
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海野清《埃及猫置物》
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大場松魚《平文烏瓜文箱》
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新収品では、東博前身の博物局で模写事業に携わった日本画家前田貫業の模本の《鳥獣戯画》が忠実でよかった。
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ホータン(和田)の壁面仏画も優しい顔立ちで好み。
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時間切れで本館がほとんど見られなかったので、今月中にまた訪れたい。
アルバムあります。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000120603909&owner_id=2083345

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