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2022年06月21日10:30

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拾ったスマホが擬人化してわたしを誘惑する件 3

放課後、わたしはぼんやりと空を眺めていた。
絶対的な事実として、わたしには双子の兄がいる。彼は天才であり、ハバード大学に留学している。しかも、両親もついていく始末だ。
家に帰れは一人暮らしの毎日だ。
これは憶測だが、両親との遺伝的な繋がりがあるか疑問である。
作られた天才のはずが、わたしは凡人である。
この気持ちは喉の奥に魚の骨が刺さった気分だ。
「一茶、キスしよ」
しおりが近づいてくる。と、突然のキス発言である。
わたしは血流が逆流した気分だ、ただの女子のからかいではない。想い人の言葉に聞こえたからだ。
「か、からかうなよ……」
「エヘ、少し早かったかな」
しおりはわたしの腕を掴み、幸せそうに笑のであった。
そんなわたし達を見ていたのか担任がそろそろ帰る様に言う。
大人にとってみれば、微笑ましい光景なのかもしれない。
わたしは苦笑いをして担任にしたがう。
「わたし、一茶の家で暮らしていい?」
わたしの時間一瞬時が止まったのである。
「わたしはあなたに拾われたスマホなの」
聞いた事がある。女子に変身できる。
『ββ』とのダブルベータシリーズなるスマホがあると……。
都市伝説だと思っていたが実在するとは。

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