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2022年05月02日06:49

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新約・三日月銀のペンダント 28

わたし達はペジタに着くとアイデムの店に行く。
「おやおや、ブルーさん、少し痩せた?」
「今回の旅は、それなりに苦労した旅であったからな」
アイデムは相変わらず、愛想がいいのか、悪いのか不明である。
その顔は中年のオッサンであり、髭が微妙に気になるのであった。
情報屋は特需な仕事の人物であった。
「早速ですが情報は欲しいですか?」
「あぁ、エスタまで行っても老婆一人と話しただけだった」
アイデムはニヤリと笑い資料を広げる。
それは焼け落ちた、わたしの故郷の村であった。
「この情報は知らない方が良いかもよ」
「もったいつけるなよ」
「はい、了解を得ました。このブルーさんの故郷ですが、魔導の力によって強化されたゴブリンらしのです」
……そうだよな、普通のゴブリン達で血族の村が焼け落ちる訳がない
「すまない、その情報は要らない」
「あら、忠告したのに……それなら、その三日月銀ペンダントは純度の高い凛銀と言うのはどうですか?」
「魔導のエネルギー源の凛銀だと言うのか?」
「はい、現在では魔導は無きに等しいので狙われることはまずないでしょう」
「先ほど、魔導の力で強化されたゴブリン達がいると聞いたばかりだぞ」
「ラフエル帝国です……」
確かに故郷の村が落ちたのはアドギス皇帝が在位した時間軸に等しい。
「わたしは旅の途中で『ゴールドマウンテン』に出会って、三日月銀のネックレスが目当てだと言っていた」
「どうやら、アドギス皇帝は更なる力を求めているのですね」
話を整理すると、アドギス皇帝はすでに魔導の技術を手に入れて、更に神龍を復活させようとしている。

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